第14話
解離性同一性障害だと知らないけど多重人格だと言えば「あぁ、本やテレビや映画とかで知ってる」と思う方々は多いでしょう。
そして私が良く言われるのは「犯罪とかするんじゃないの?」です。
な訳あるか‼︎
散々心無い言葉を言われてきました。誤解や偏見の目で見られてきました。
この障害の治療法もちゃんとあります。私は外来診療と特殊診療のカウンセリングで治療してます。
よく「人格達を消せば良い」と思われてしまいますが、人格達の存在意義は心を守る為の防衛です。
他の人格達が全員いなくなったら、私は物理的にも精神的にも死んでしまうでしょう。
人格達が存在してくれるから私は生きていられます。心が壊れない為に守る為にいてくれます。
残念ながら私の両親は人格達がいなくなったら完治すると思っています。
そう全人格達を統合してしまえばいいと思っている精神科の先生も多いと主治医が言っていましたが、主治医は「そんな事したら必要な人格達が消えた事で心を守れなくなるから危険な治療だ」と反対していました。
私もそう思います。必要だから他の人格達がいるんです。私の場合は『私』には耐えられない事を他の人格達が役割を担ってくれているので日常生活が送れているのです。
統合されては困ります。だって『私』では心は守れないから。
『私』が目指しているのは他の人格達との「共存」です。みんなでそれぞれの役割を担って心を守る事です。まだまだ上手くいかない事も多いですが、少しずつでもそうなるように頑張っています。
私と同じように心を病んで差別や偏見の目に晒され心無い言葉を言われている方々も多いと思います。
もしかしたら精神科や心療内科を受診するのを躊躇っている方々もいるかもしれません。
私も受け入れるまで長い年月がかかりました。他の人格達さえいなければ…と思っていた時もありました。しかし今では『私』にとって欠かせない存在です。他の人格達も含めての私なのですから。
解離性同一性障害は珍しい障害ではありません。そして誰にでもなりえる障害です。
『私』が心を守る為にとった方法です。なかなか周りの人達には言いづらいかもしれません。私も言いづらいです。主治医以外はほぼ理解者はいないと言ってもいいですね。
本やテレビや映画などのイメージや影響力はすごいです。私でさえ影響を受けていました。
でも自分が障害を抱える身になって長い年月をかけ正しい理解をし受け入れてから障害に対する見方が変わりました。今では他の人格達に感謝しているくらいです。困る事も多々ありますが…。
心を病む事は誰でもなりえる事です。以前「心が弱いんだね」「負けたんだね」と言われた事がありました。
心を病むのに強いも弱いもありません。たとえポジティブな人でさえ何かのキッカケで心は簡単に病みます。心を病む事に勝ち負けは関係ありません。
何が強くて何が弱くて何が勝って何が負けるのですか?
心が壊れないように自分を守って何が悪い!
これまで書いてきた事で全部理解しろとは思ってはいません。私はただ知って欲しかったのです。
こういう障害は本当はこうなんだよと。
悩んでいる方々、こういう障害を抱えている方が知り合いにいらっしゃる方、さまざまな状況の方々がいらっしゃるでしょう。
そういった方々に少しでも何か心に残るモノが残せれば良いなと思います。
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