第10話
他の人格達とコミュニケーションが少しずつ取れるようになり始めると、段々自分の中に何人他の人格がいるのか分かりはじめました。
その時分かった人家の数は主治医の話も合わせて大体25〜27人ぐらいでした。ただし正確な数ではありません。
大体の人格達の事が分かったら次は全ての人格達に役割を与えました。
主人格である『私』は一人でいる時しか表に出ないので、父に対応する人格達、母に対応する人格達、姉に対応する人格達、仕事する時の人格達、主治医に対応する人格達など、その場や人に対応する人格達を決めました。4〜8人の班に分かれて対応できる人格達同士協力し合って表に出てもらう事を徹底しました。
初めから上手くいった訳ではありません。少しずつ時間をかけて徹底させました。役割も人格によっては兼任していたりします。
なるべく違和感がないように『私』のモノマネに近いような態度で接するようにみんなで頑張りました。
そして必ずノートやメモに何かしら書いて残す事が私達の約束事です。
班にはリーダーみたいな人格を置きそのリーダーが教育係みたいなものを担います。
簡単に書いていますが、それが徹底されるまでに役10年かかってます。それまで好き勝手に表に出てこれたのに規制がかかり、他の人格の事など考えた事もない人格達が突然なにやら役割を与えられ約束事ができ、リーダーみたいな人格の言う事を聞かなければならない。
反発が起きない訳ない。抵抗は激しいものでした。
それでも時間をかけて協力的な人格達と共に説得しました。
今でもなんですが、イラッとしたり落ち込んだり感情のコントロールが出来ない時は突発的に何人もの人格達が短時間にコロコロと表に出てしまいます。
まだまだ人格達全員とコミュニケーションがきちんと取れているとは言い難いですね。
病院嫌いも治っていません。主治医を攻撃する人格達も多々います。
ただしどんなに表に出て攻撃するとしても暴言まで。傷付けるのは私達の身体にする事、他人を傷付けてはならないと禁止しました。
そもそも他人を殺す事などに恐怖を持っているので他人を傷付ける事を他の人格達全員良しとしません。それだけは安心できます。
そのかわりの自傷行為という反動が凄いのですが…
他人を傷付けるよりは良いと私は思ってます。
他の人格達にそれぞれに合ったストレス発散方法を見つけてもらうしかありません。
そうやって十数年かけて少しずつ他の人格達と日常生活が送れるようにあ頑張りました。
挫折しかかったり諦めかけたりもしましたが、なんとか今に至っています。
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