第9話
「寝る」つもりという名の「自殺未遂」をしてから私の両親は変わりました。特に父が…。
私の行動に何も言えなくなってしまいました。あれほど嫌っていた主治医に相談もしたようです。
母もちょっとずつですが理解しようと頑張り始めました。姉からは怒られました。心配かけるなと。
私の中でもかなりの変化がありました。
「解離性同一性障害」である事を受け入れました。
ただ「私」が受け入れても「他の人格達」が受け入れませんでしたね。必死で主治医に抵抗していました。それほど病院関係のトラウマになっていました。現在でもトラウマはまだ克服したとは言い難いです。
しかし自分が「多重人格」だと認識してからは今度は周りの人達にバレないようにするのに苦労しました。今でも苦労してます。何故なら私が最初に思った「多重人格って架空のものでしょ」と思われているからです。本や映画などに出てくる印象が強すぎるのです。
障害の事は現在でもほとんど他の人達に話せません。話したところで「ヤバい奴だ!」と思われて離れていくか「何だそれ⁉︎」と面白がるかのどちらかの反応をするからです。
実際私の周りでたくさんの人達が離れていきました。だから学んだんです。「あぁ、誤解されてるんだな…」と。
主治医も専門医として「この障害は誤解されている」と言っていました。
さて私が障害を受け入れたとしても「他の人格達」が受け入れないことには何をやってもダメでした。
激しく抵抗されるばかりです。なので主治医と一緒に説得に近い理解をしてもらう事、人格達がどんな時に出てくるかなど人格達のことを知る事など初歩的な事から始めました。
家族にも迷惑をかけながらですが協力してもらいました。
私は人格達が何を考え、何が嫌で何が好きで、どんな事に興味があるのかなど知ろうと思いました。
今まで残してきたノートや主治医との交換日記らしき物、ちょこちょこ書いていた詩らしき物などありとあらゆる人格達の証拠を調べてまわりました。
そして自分に何人の人格が存在するのか知ろうとしたのです。
知ろうとしたところですぐ分かる訳ではなりませんでした。だって知ろうとする作業の合間にもよく入れ替わりがあって記憶が無くなるのです。
なので私は必死で人格達と一つの約束をしました。
『入れ替わったら必ず何かしら残して欲しい』と。
合図みたいなものです。それを時間をかけて徹底させました。応えてくれるまで語りかけました。
そうすると少しずつですが、人格達とのコミュニケーションが取れるようになり人格達の事が分かり始めました。
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