第7話

主治医が今までの先生達とは違うと分かった途端、

「私達」は主治医に牙をむきました。

全人格総出で対抗、攻撃しました。

そしてその攻撃は私や家族にもむきました。

誰彼構わず暴言を吐き、自傷行為し、記憶の無い時家出しました。家族にも私にも手に負えませんでした。家族はあまりの変わりように狼狽え、どうしていいのか分かりませんでした。


主治医はまず別人格達の全容を把握する為、「私達」と交換日記の様な物を始めました。そして診察中はビデオ撮影をして記録を撮りました。

それから催眠療法などの様々な治療法を試しました。

初めの1、2年は主治医に全力で抵抗しましたよ。

攻撃がうまくかわされると自傷行為を繰り返しました。常にイライラしていました。


その頃の私は本当に酷いものでした。今思い出すだけでも恥ずかしいです。ほとんど覚えてないけど…


あまりの自傷行為や周りへの暴言などの暴れっぷりに主治医は仕方ない物理的に薬で別人格達ごと私を薬で眠らせる事にしたそうで。


その頃の私にできる最善の治療が眠らせる事だったといいます。

しかし一日中眠る私を見て父は主治医に不信感を抱き始めました。


後から母に聞いたのですが、父は主治医をペテン師呼ばわりしていたそうです。


診察の時だけは薬を飲むのを止め、主治医はそれぞれの人格達を診察しました。

私に対してはひたすら解離性同一性障害についての説明を繰り返しました。


どうしても多重人格障害を受け入れられなかったからです。

どうして自分の中に別の人格がたくさんいると信じられると思いますか?


そんな自覚も無いのにただ「いるよ」と言われて

「はい、そうですか」と思えますか?信じられますか?私は信じませんでした。


いくら説明しても分かろうとしない私に主治医は交換日記のようなの物を見せたり録画したビデオを見せてくれました。


私は交換日記した覚えは無いのですが…。


さまざまなな事が書かれていました。書いていると言えないし文字にすらなっていないぐちゃぐちゃなノート。

ビデオに映った私の姿をした誰か。しかもみんな私と違う。一人としてそれぞれ違った話し方、顔つき、態度…。


衝撃映像です。ショックでした。

「これは誰?」と自分でも思いました。

性別も年齢も違う別人格達の姿を見せられ、私は気を失いました。


起きている間、何度も思い出してはショックで自傷行為をしたり過呼吸を起こして気を失いながら私は姉にあるお願いをしました。


解離性同一性障害についてネットで調べて欲しい。それに関する本を集めて欲しいと。


なるべく専門的な物でフィクションではなく物で探して欲しいと頼みました。


私自身でも探しましたし調べました。図書館通いをしました。主治医にも私にも分かりやすい専門書などを借りました。


その結果、調べれば調べる程専門書を読めば読む程私の今の状況に当てはまりました。


症状はそれぞれありますが、ほとんと全部当てはまりました。

























  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る