第34話 前半のプログラム終了
「なんや、これ……冗談きついで、さくら……何死んでんねん……」
信じられん。さくらが殺された。頬肉がなくなり、剥き出しになった歯も無理やりペンチみたいなもんで抜かれてる。
腹部は割かれて、内臓は綺麗に抜き出されてる。代わりに……胸糞悪い。
画用紙に描いてあるご馳走の下手くそな絵。
お腹一杯ってか? 笑えへんわ……性器には執拗に刃物を抜き差しされたんやろな。見るに耐えん。なんやこの死体。さくら、本来アンタが人間をこんなふうに壊すんちゃうんか……いや、ちゃうな。さくらは根っからの人殺しやけど、死体をこんな風に無茶な損傷させへん、死体愛好家やから……でもこの死体の壊れ方は……生きてる時から死んでもなお、玩具やラジオをバラすみたいに徹底的になんも分からんへんような子供が解体した結果みたいや……
「今回のお泊まり会に参加した連中で、さくらを殺れる奴はウチか、小鳥ちゃんしかおらへん……ウチがさくらを殺してへんのやったら……答えは一つや、さくらをやったんわ、小鳥ちゃんや」
さくらが欲情してマスかいても収まらへんで、目の前におった小鳥ちゃんを殺して犯そうとした……その返り討ちにあった……にしてはこの死体の損壊具合はどう考えてもイカれとる。小鳥ちゃん、正体現したっちゅー事か? まぁええわ。ここいらが友達ごっこの終焉やな。まぁ、ウチも小鳥ちゃんも悪魔みたいなサイコパス、そんでロクでなしや。このお泊まり会で、楽しませてもらおか。
しゅぽ……
ライターで薬タバコに火をつけると、さくらの口にタバコを咥えさせてやる。美味いか? さくら、死んだらもう酒も、タバコもメスガキも犯せへん。アンタは負けたんや。人生にな。
「なぁに、ウチも小鳥ちゃんもそう遅くない時間でそっちにいくわ。さくらはマスかいて、好きな死体で死姦しながら見守っててや」
ウチはそう言って、うちの椅子として使っているメスガキの背から重い腰をあげた。
「あっあっあっあっ! イグ、イクイクイクイクぅ!」
理解の時間で配られたコイルを巻いて作る電磁石で作ったモーター、これでウチはスイッチ式のバイブを作って捕まえたメスガキにその威力を試してみた。前からも口からも愛しいお汁を垂らして何回目?
「なぁ、ともちゃん、何回イッた? 十回くらいやったけ? あんまりイキすいると脳細胞死んでまうでぇ、でもまぁええよな? ウチに可愛がられてなんも考えずに馬鹿になってもええよな?」
肯定も否定もできず、強制的に何回も絶頂を迎えるメスガキ。時間一杯までこの子で遊んでこの子の分もワッペンは集めてるから、今後ウチの肉便器代わりに生かしたろ。まだ制限時間はあるし、遊べる相手とは遊んで……
そんな風に思ってた。異様に生徒がおらへん、おらへん。なんでや? いくらなんでも死んださくらや、小鳥ちゃんがこんな食い荒らし方するやろか?
ウチは、何人かのメスガキの死体。その中でも比較的タイプで損傷が激しない死体の前でマスかいたんは小鳥ちゃん達には内緒や。
そんな呑気にどれだけイッて失神してるか楽しみに戻ってきたら、そこでおっ死んるともちゃんと、それを生ゴミでみ見るように見つめている
「おい、ワレぇ! 何しとんねん! 小鳥ちゃん!」
そう小鳥ちゃん、ウチを見て何かを言おうとしたその瞬間にウチは光物を抜いた。
「待ちなさい多々良!」
「黙れや! なんか知らんけど、ど変態からシリアルキラーに変わったんか? ドアホガァ!」
バキュン!
ウチが放った銃弾を小鳥ちゃんは当然の如く避ける。そして、ガラス片を持ってウチに突っ込んでくる。アカン、多分ステゴロはウチより小鳥ちゃんに分がある。
くっそ、こんな所で死んでたまるかぁ!
ドン!
「ぐっ……」
小鳥ちゃんの腹部が真っ赤に染まる。ウチの弾丸は9ミリ弾や。せやけど、ガキである小鳥ちゃんの身体には十分な破壊力を誇ったやろ。撃ってもうたら、簡単な話やったな。
「小鳥ちゃん、ゆっくり犯したる。なんか言いたい事はあるか?」
ポタポタと流れる赤い血潮。これ手当てせーへんともって三十分かそこらやな。ウチの責め苦で小鳥ちゃんが万が一従順になったとしたら助けてやってもいいけど、そうやなかったら生き残った小鳥ちゃんに次は殺される。もったいないけど、今回限りの陵辱で我慢やな。
「……したの?」
「あぁ? なんて?」
「教えて……どうしてさくらをあんな殺し方をしたの?」
は? 何言ってんねん! 何を……お前が殺って、犯ったんやろ? なんやねん……その言い方やと……小鳥ちゃんちゃうやん。ウチでもないやん。じゃあ……ウチ、なんで小鳥ちゃんを撃ってん。
「待ってや……アンタやろ? さくらを殺したん……だからウチは先制攻撃したんや……ともちゃん殺したんも小鳥ちゃんやって……言ってや」
なんや……なんでウチ、泣いてんねん。正直、間違えて撃ってもしゃーないで済ましてたやん。なんで……
ウチは一心不乱に応急処置をして、小鳥ちゃんを保健室に運び、出来る限りの治療をしてみせた。
「で? さくらがやられたのを見て、私が殺したと思ったわけね……本来なら多々良との共存関係はここで終了、殺し合いにと言いたいところだけど」
「ほんまに堪忍や! 手術費用はウチが持つやん……それより怪我大丈夫か?」
「えぇ、弾は抜けたし、ホローポイント弾じゃなかったからダメージは見た目よりは少ないわね。あと、多々良。この縫合、貴女元医者?」
信じられないけど、多々良がさくらを殺していなかった。いや、そう言っているだけかもしれない。あれだけ死体を損壊させる意味がわからないけれど、でも私と多々良以外にさくらを殺れる生徒なんているわけがない。
「本当に貴女が殺したんじゃないのね」
「当たり前やろ。さくらを殺す時は襲ってきた時や、せやけど、さくらは本能的にウチらとは共生を選んでたハズや……そんな多々良を殺せる奴がウチでも小鳥ちゃんでもないなら、後はあの子、アリサちゃんだけや……でもあの子がなぁ……考えられへん」
そこなのよ。私の未来の肉便器であるアリサとは何度か一緒にこのお泊まり会を経験したけれど、どんな危険な状況でも萎縮するか私なしでは生きてはいけなかった。
「小鳥ちゃん、ウチさ、考えたくはないねんけどさ」
「そうね。多分、私も貴女と同じ考えよ。よく考えるとこのお泊まり会ぬる過ぎたのよね。そりゃあ障害の一つや二つは入れてくるでしょうね……今回異常殺人嗜好の化物が紛れ込んでいる。それがさくらを殺したという事で間違いないでしょう」
冷静に考えればそういう事以外には考えられない。わかってしまえば話は簡単じゃない。
「ねぇ、多々良。さくらは一応、私たちのお友達じゃない?」
「そやな」
「お友達に不条理が起きれば、それを助けるのはメスガキとしては友達の鉄則じゃない?」
「うん、身体は大丈夫なん? ウチが撃ってんけどさ」
私の身体スペックは30%程低下しているけれど、銃を持つ多々良と共闘できるなら猛獣相手でも大した脅威じゃないでしょう。
「アリサちゃんを隠れさせているから、回収して守りつつ、とりあえずその愚か者を屠り、卒業しましょうか? 初等部」
私と多々良とアリサの3人で中等部、まぁ悪くないでしょう。熟れる前のメスガキ達をたらふく食べて、楽しい一年の始まりよ。
まず、その前に処す者を待たなければならないのだけれど、私と多々良はアリサの待つ教室へ向かう際。
信じられないアナウンスが流れた。
“良い子のみんなぁ〜! ワッペンは集めたかな? 只今の時間を持ちまして、お泊まり会プログラム前半の部を終わります“ 屋上、入口より後半の部、卒業式会場へのヘリを向かわせているのでレッツゴー! 中等部のお姉さんになる為にがんばろうね!“
は?
後半の部? ほぼ全員死亡しているこの状態で、まだお泊まり会を続けるつもりなの? これって……もしかして誰一人として生かすつもりないんじゃないのかしら?
「小鳥ちゃん、どないするん?」
「どうするもこうするもないでしょ? いくわよ」
私と多々良は多目的教室に入るとアリサは縮こまり私と多々良の姿を見ると安堵し飛びついてきた。全く可愛い子。私の下半身がウエットになるじゃない。まだ後半の部があるというのに。
「アリサ、これからは私と多々良から離れてはダメよ? もう何があるかわからないから」
私達はゆっくりと階段を登る。途中で奈々の死体が転がっている。私は奈々を殺した。だけど、ここじゃない。奈々の死体は信じられないくらいに弄ばれどうすればこうなるのかという損壊……
「小鳥ちゃん、こんな死体。ここにあったか? このメスガキの子宮。なんかぶっとい物挿れられてかき回されとる……これ食う為にやってるんちゃう」
処女の子宮を食べれば永遠の命を得られるなんてオカルトが確かにあったわね……階段を一歩一歩登ると、私は冷や汗が流れる。
「ひぃい! 小鳥ちゃん!」
「大丈夫、大丈夫よ」
動物が、自分の縄張りにマーキングするように、屋上に近づくにつれて損壊した死体、陵辱されたメスガキだったであろう体の部位が転がっている。
「これ、だいぶ頭のやばいやつがおるで……」
多々良も同じく恐怖し、一般人のアリサもなんらかの恐怖を本能から感じている。私の認識を改めなければならないかもしれない。多々良を囮にして私とアリサが生き残る。万が一、私が死ぬ可能性があればアリサを切り捨てる。
私はアリサ、そして多々良の手を繋いで私は二人に微笑んで見せた。
「3人で絶対に卒業しましょう!」
私を裏切る可能性が高い多々良は私を間違えて撃った事で少しは心に緩みが出ているでしょう。そういう意味ではこの傷は先行投資ね。
私は屋上の扉を開ける。そこは大きなヘリの内部に繋がっている。おそらく屋上はないわね。この扉に横付けして入れるヘリなんてあり得ない。この建物は学校ではなく、学校を模しただけの舞台。なんでもありね。
このお泊まり会。もう何が起きてもおかしくない。
だから、私達はお道具箱と書かれた箱を持った美少女がヘリの隅でこちらに手招きしている姿をみた。
あれが……大量虐殺者なの?
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