第4話 ドキドキわくわく宝探しげぇむ

 最高や! この世界はウチの為にあるんや。

 色んな戦場で思うがままに略奪し陵辱し、息を吸って吐くように命を弄んできたウチ。

 最後は銃殺刑でロクデナシらしい人生を終えたハズやった。

 目が覚めたら、信じられんかった。メスガキだらけの園の中心におった。最初に嗅いだんは泥の臭い。ウチはどうやら、虐めにあっとった。鞄も服も汚れて、多分。

 ウチやったメスガキは自死を選びよった。


多々良たたらさん、懲りたらもうあんまり真面目ぶるのやめた方がいーよー」


 ウチの名前は多々良言うんか・・・・・・なん陰気な名前やな。ウチはSMも好きやねんけど。まぁMっ気がない言うたら嘘になるわな? でも、ウチはメスガキの首閉めながらすんのが三度の飯よりも好きやねん。


「きゃああ! 多々良さん、何するの!」


 三人。よってたかって虐めするには少々少ないか? 一人の足元を転がし。反撃をする前に全力で顔面をどついた。痛みやないねん。与えるのは怖いや。

 これでもうこのメスガキはウチに逆らわへん。


「せんせ、先生呼んでこよう!」

「先生。呼ばずにウチと遊ぼうや。もうこんな汚れてもうてんねん。あとは体液で乱れても変わらへんやろ?」


 ウチのしつけ方は、裏切らせる事や。三人に役割を与える。

 一番ウチを虐めとったらしい。ゆう。この子を徹底的に他二人に虐めさせる。

 で、ウチは優しく優に触れて対等に扱ってやるんや。そして、ウチは他二人に無意味にあたる。するとどうなるか分かるか? 優をさらに虐めるんや。ウチの寵愛を受ける優にウチに対する怒りをぶつけるんや。


 虐待とセックス。この三人はウチの肉奴隷として良い感じで仕上がっていた。

 そんな時や、この楽園やと思っとったここが、狂いまくってる事にウチは歓喜した。

 ある日、先生に居残り指示を受けたウチ、優、そして雌豚A、雌豚B。ウチに何されるか分からん恐怖と喜びで今にも漏らしそうな三人。ウチもどうしようかと思ってたら。唐突にお泊まり会は始まったんや。

 それは、『宝探しゲーム』

 そこにはウチ等みたいに四人一組みたいな生徒達が十組。総勢四十人やった。


”あーあー、マイクのテステス! みんなが寝ている間に、とある毒をお注射したよ! 今回は宝探しゲーム、それを解毒する薬を見つけて生き残る事! なんと今回は全員生存ルートがあるからボーナスステージだね!”


 要するにこうだった。ウチ等には何らかの毒が注入されているらしい。そしてこのポンコツのメスガキ達と解毒薬を探しましょう! アホか・・・・・・泣きわめくメスガキ達。ええぇなぁ、その声録音して寝る前に聞きたいわぁ。

 せやけど確かに少し具合が悪い。これなんや・・・・・・


「白雪様、どうしましょう?」

「ほたえんなや、宝探しやろ? ここほれワンワンや、せやな。紬。全裸で四つん這いで探しぃや」


 雌豚Aはウチにそう言われ、周囲の目があるからそれを拒む。


「白雪様、ここではどうか」

「ウチの言うことが聞かれへんのか? なら、優と立場交代やな。優は出来るよな?」

「はい!」


 ウチに言われるがままに、服を脱ぎ、四つん這いで地面の臭いをかぎながら探し回る優。それを見て他の少女達は引く。見られる事にまで喜びを感じ始めている優はもう戻れへんやろな。


「紬、分かってるやろな? もうアンタに価値ないで」

「ごめんなさいごめんなさい! すぐに、私もすぐに脱ぎますから」

「もうええって、ウチは言うこと聞かへん玩具に興味ないねん」


 そんな風な掛け合いをしていたところ、真面目なグループはその宝探しゲームとやらで、宝箱を見つけたらしい。


「ウチ等も見に行ってみよか」


 そこにいた四十名の少女達は、宝物を見つけたグループの元へ集まる。宝箱をあけるとそこには注射器が二本。


「これが解毒剤かな? でも二本しかないよ」

「きっと、色んな所にあるんだよ!」


 でもどうやって注射なんて打てばと話す中で、一人の少女がインスリンを打っているから使い方が分かると、その方法を教える。


「最初誰が解毒する?」


 ほんまにこれ、解毒剤なんか? どうもウチは気になるんやけどな。だって、あれ、どっかで見た物に似とるし・・・・・・。

 ブスリと二人の少女が注射を打つ。そして面白い事がはじまった。


「あうらうえあうさんすう、ええぇうあああっああああきひひなにこえぇ!」

「あっ・・・・・・うお・・・・・・」


 意味不明な事を叫び始めるメスガキと呼吸困難に陥って蹲るメスガキ。その様子を見て、きゃああああと叫ぶメスガキ共。ウチが調教した連中はその様子を見ても驚く事もない。

 ええ子等やな。じゃあご褒美に教えたろう。


「あれは、覚醒剤や。名前くらいは知っとるやろ? よう警察に職質されて捕まるアホぅが持っとる薬や。まぁ、ある意味宝探しなんかもしれへんな。じゃあウチ等も探そか?」

「白雪様、探すって?」

「もちろん、宝探しに決まってるやん」


 しかし、ここは何処や? 学校らしいけど、普段ウチ等が登校している学校やあらへん。いやにだだっぴろい教室の数々。

 次々にグループが宝物を見つける。

 それはキノコやったり、錠剤やったり、カプセル錠やったり、それを解毒剤やと思うもんは誰もおらへん。

 そら、最初に見せられたあの強烈な状況。呼吸困難のメスガキはもう動いとらへん。早く運ばれたら助かったかもしれへんけど、もうアカンやろな。そしてしゃべりまくっているもう一人のメスガキは壁に頭を打ち付けて狂いはじめとる。

 あんな風になりたくはないもんな。


「じゃーん! ウチ等も宝物をげっとしたでぇ! 紅茶のティーパックやぁ~! 疲れた身体にはお茶やんなぁ!」


 この青臭い臭い。完全にマリファナや。どっかの国では医療用に使われてるとか言うけど、これに解毒作用は聞いた事あらへんなぁ。


「紬、これでお茶淹れたるから飲みぃ」

「いやです! あんな風になるのはお願いします。なんでもします、それだけは・・・・・・」


 ウチは紬にマリファナのティーパックを鼻につけてから言う。


「どう考えても漢方の臭いやん。せやろ? ドクダミみたいな感じで解毒作用あるんちゃう? せめてちょっとお茶飲んで大丈夫かどうかくらい調べる気概見せてくれへんと、ほんまにあの注射みつけたら打つで?」


 ドクダミに解毒作用があるかはウチも知らへんけどな。目の前で人間が壊れていく薬の効果を見て、あれだけはさすがに嫌だと思った紬は一緒にあったポットのお湯で淹れたマリファナ茶。その独特な香りを嗅いで、そして紬はごくんとそれを飲む。しばらくして、紬はこう言った。


「なんだか、ほっとする・・・・・・これ多分大丈夫だよ!」


 大丈夫なわけないやん。ホンマアホやなぁ。陶酔に入っとるだけや。それが胃から腸。そこから急激に吸収され、脳が異常反応を起こすで。


「ねぇ、心臓がドキドキする・・・・・・何これ?」

「なんやろなぁ~、千晶。紬をめちゃくちゃに犯したり、ええな?」

「はい」

「ウチはその辺散歩してくるわ」


 メスガキ達の行動は分かりやすくて愚かで愛おしい。何人かここで見繕ってウチの肉奴隷に・・・・・・なんや?

 声をあげるメスガキの声。それは悲鳴やない。なんや?


「小鳥ちゃん、大丈夫なの?」

「さぁ? でも、体温を暖めてあげて、舌を噛まないようにハンカチを噛ませて。どう考えても興奮状態になってるわね・・・・・・」


 おいおいおいおい、なんやねん。このメスガキは、どこぞのええところの子にしか見えへんのに、冷静にこの状況で覚醒剤でラリっとるメスガキの応急処置しとる。あたりまえのように呼吸困難のメスガキには心臓マッサージと人工呼吸。


「骨が折れてもいいから、ありえないくらいの力で叩きなさい」


 せや・・・・・・骨なんてあとで繋いだらええ。それより、酸素を送り、心臓を動かす事や・・・・・・このメスガキ。ただもんやあらへん。ただのガールスカウトちゅーわけないわな。

 こら、ウチと同類なんちゃうんか?

 ちょっとかまかけてみるか。


「アンタ凄いなぁ! こんな状態で、自分の事もままならへんのに、尊敬やわぁ~」



 それにしてもめちゃくちゃ可愛い子やんか! ハーフなんか? あぁ、いますぐにしゃぶりつくしたいけど我慢や・・・・・・このメスガキがウチと同類なんやったら・・・・・・気づかれたらアカン。


「貴女も、随分冷静ね」

「多々良白雪や。まぁ、あんまり言いたないけど、堅気の家ちゃうねん。そういう事やから、こういうのには慣れっこやってんけど、さすがにウチと同い年では見た事ないわぁ」


 まぁ、嘘やけどな。ウチも捕まえたメスガキをドラッグキメて昇天させるのは大好きやった。やけど、こんな学校でこれが行われてるとか世も末やな。


「小鳥よ。じゃあ多々良さん、全員で助かる為にどうすればいいか分かるかしら?」


 全員で助かる。ウチと同じろくでなしなら全員で助かろうとは思わへんハズや。いや・・・・・・元教師とか医者とかで聖人パターンもありえるんか・・・・・・


「せやな・・・・・・周り見てみ、吐いてる子もおるし、眠りだしとる子もおる。その”宝物”を見つけてへん子等もや・・・・・・ウチ等の中にある毒言うもんがなんなのか、それが分かれば・・・・・・ええねんけどなぁ」

「これ、飲んでみて」


 錠剤をウチに手渡す小鳥。なんやこの錠剤? さすがにこんな明らかに危ない物飲むわけないやん。


「なんやのんこれ?」

「そこで私達の班が見つけた宝物よ。ジスルフィラム・シアナミド。それを飲んで苦しみ出せば、私達の身体の中の毒が分かるわ」


 こいつ、気づいとる。ウチ等の身体の中に調整されたみたいに、入れられとるのが、アルコールやっちゅー事を・・・・・・この薬飲んだ後のあれきっついねんけどなぁ~、まぁアホガキ演じとくのも一興やろ。



「小鳥ちゃん、これ飲んでウチが苦しんだら、ここにおるみんな助けられるん?」

「そうね。貴女もね」

「しゃーないな、小鳥ちゃんに賭けるで」


 そう言ってウチは抗酒薬を飲む。アルコール依存症の患者に出される、アルコールと反応して強烈な二日酔いを引き起こす、ある意味悪魔のドラッグや。


「うぉぉおおおおおええぇええ!」


 イタイイタイ、ぎもぢわるい・・・・・・こんな、ガキになってまであの気分の悪さを味わう事になるなんて、ありえへんやろ・・・・・・ 

 あまりの苦痛と嘔吐の繰り返しでウチは気を失った。ウチが次ぎに目を覚ました時、そこはウチのベットの上やった。


「白雪ちゃん、お熱は大丈夫かしら?」


 このババアは誰やった? あぁ、もう食べ頃が終わった女子高生のルームメイトかぁ、まぁうまい飯は作るし、ウチの身の回りの世話も買って出る。メイドやと思えばええか。


「お姉様、ウチ、頭痛いわぁ」

「あら、大変。あとで購買部にスポーツドリンクを買ってくるわね? 果物ゼリーとかなら食べれそう?」

「迎酒を・・・・・・」

「むかい?」

「ううん、ちょっと寝るわ」


 くっそぉ、酒も飲んでへんで、二日酔いとか、このクソゲーはじめとる奴。皆殺しや!

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