第4話 おしっこにげた




「はっ……!」

 だいすきなブロックあそびにむちゅうになってた。

 そしたらおしっこがかってに、にげていった!


「うぅ……」

 もうおねえちゃんなのに、トイレにいけなかったの、はずかしいな。

 ママ、おこらないとおもうけど、おこらないかな。

『もうおねえちゃんなんだから!』ってプンプンされちゃうかなあ。


 どうしよう。

 うごきたくない。

 かわけ、おしっこ!

 ぜんぜんかわかない!

 こら、おしっこ!

 あたしからにげたんだから、ようふくとゆかからもにげてよ!


「どうしたの?」

 ま、ママだ!

「う、ううう」

 なかないもん。

「ああ。……ぞうきんとってくるね」

 なかないもん!

「だいじょうぶよー」

「あたし、おねえちゃんだもん!」

「……ん?」

「あかちゃんじゃないもん!」

 にげるな、なみだ!

「ははは! おねえちゃん、すごいね。もうあとおしりひとつぶんよこにいたら、きのうかったじゅうたんが、おしっこさんをのんじゃうところだったよー」

 

 ぷう!

 わらわないでよ、ママ!

 おこられるのもイヤだけど、わらわれるのもイヤだ!

 

「あ、リン。あかちゃんじゃなくて、おねえちゃんなんだから、ふくのてつだってくれますか? できる?」

「で、できるもん!」

 あたしはまず、パンツとズボンをかえることにした。

 たいいくぎのズボンしかないや。これ、かわいくないからあんまりすきじゃないけど、やっぱりうごきやすいなぁ。

 ゴシゴシ、キュッキュ。

 ゆかは、すごーくピカピカになった。


「わー、さすがおねえちゃん。とってもきれいだね」

 えっへん!

 すごいでしょ!


 なんだかすっごく、いいきぶん!

 いまなら、まえまわりでどこまでもいけそう!



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