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”響く銃声”
気づいた時には誰かに押されて床に倒れていた
誰かが私をかばってくれたのか…
安堵している場合じゃない!
私はすぐさま足を前に出し、よろけながらも前へ進みだした
体力が限界で数歩走るごとに吐きそうになっていた
前方からものすごい勢いで救急車が走ってきて、先ほど撃たれた人を運び込んだ
頭部が破損し、もうその人は息がない
私をかばったがために死んでしまった?
そんなことまでして私は生きたかったのか?
その人のことを考えると涙があふれて止まらない
自分のエゴに失望する
してしまった過ちに懺悔する
声にならない嗚咽をはきながら
ひたすらに走っていた
私はどこに向かえばいいんだ!!!
もうどこでもいい
今の私に似合うところを教えてくれ
それがどこであっても私は甘んじて受け入れる
そうするしか落とし前がつかない!!
ドブネズミでもいいから私を…
ドブネズミ?
地下鉄だ!!
気づいた時には私の足は最寄りの地下鉄までのルートにナビを合わせていた
幸いこの近くに地下鉄への入り口がある
そこまで行ければ私の勝ちだ!!
私は無我夢中で走っていたが
一つ作戦を思いついた
地下鉄に気づいていないように向かおう
バレたら先回りされるだけだ
ならばバレないように演技しながら行こう
私はビルの上からでもわかるほどの泣きの演技をしながら
できる限りジグザクに目的地まで向かった
あと少しだ!
まだ撃たれていない、おそらくバレてもいない!
このままいけば私は生きて帰れるぞ!!
地下鉄の入り口が見えてくると私は最後の力を振り絞って加速した
コンクリートは私の踏み込んだ足を大いに喜び、さっきよりも前に、もっと早く前に行きたい僕の気持ちを理解して、それに答えてくれる。
さぁ残念だったなスナイパー!!こんどこそお別れだ!!
私は転びそうな勢いで階段を駆け下りた
そして最後の段で体勢を保てず顔から転んでしまった
そして私は顔を前に挙げた
そこには
筒をもったスナイパーが私をにらみつけていた
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