”響く銃声”

そのシーンは自分の中でスローモーションだった

すぐ後ろで大きく鳴り響いた跳弾音、

間一髪のところでなんとか避けられたぞ!

踏み込んだ足はコンクリートに伝わり、さっきよりも前に、もっと早く前に行きたい僕の気持ちを理解して、それに答えてくれる。


僕はこれ以上ない速度で走っている。息が切れる。もう訳が分からない、ただ休みを過ごしていただけなのに、ただ日曜日だから奮発して買い物をしようと街に出ただけなのに、どうして狙われなきゃいけないんだ!?


信号は赤、もう気にしない、既に僕の目に周りの人は見えない


信号を突っ切って、路地を曲がる

路地からまた路地へ

残念だったなスナイパー、僕の家はもうすぐなんだよ!


無我夢中で走り続けた、もうこれ以上ないってくらい


さぁ!もう家だ!残念だったな!獲物を取り逃がした気持ちはどうだ!

僕は挙動不審に周りをキョロキョロ見渡す


ビルの上、屋外広告の中にあいつは居た

そいつと目が合った気がした


二枚ほどの精巧なガラス細工を通して…

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