第10話

…遥はその言葉を聞くなり5秒ぐらい黙り込み

「1週間ぐらいなら延長は別にいいけど…」

陵介が遥に「レンタル彼女になってほしい」とお願いした時も二人の間には沈黙の時間が流れた。今回はあの時よりは短かったものの、言葉を発した時の遥の表情やなにげない仕草はどことなくあの時と似ている感じがした。

さっきまであんなに楽しそうにチームを応援していたのに…

遥にとって、俺と付き合うことはそんなに嫌なことなのだろうか……。



「よし決定!遥ちゃん、あと2週間ちょっとよろしくね」

「は、はい…」


サッカー観戦が楽しすぎて、今デートしている相手が別に好きでもない罰ゲームで告白した親友である楓の先輩と言うことは忘れていた遥。

ずっと前から思いを寄せていた人と今デート出来ている陵介にとって、レンタルカップル期間を延長して遥のおかげで興味を持ち始めた「スタジアムでのサッカー観戦」にもう1回彼女と一緒に行けることは好都合以外のなにものでもないのだが…

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