第2話

(でもなんで罰ゲームで俺に告白するんだ?)

さらに会話をよく聞いていると、陵介のことを「私の先輩」と言っていたのは、同じ学部の穴水楓あなみずかえでという女子だった。


「だって、陵介さんって今まで彼女いたことないんでしょ」

「そう」


ここから楓の俺に対する陰口が始まった。

「陵介先輩って正直言ってモテそうにないじゃんか~知ってる?陵介先輩、今ダイエットしてるんだってさ。数カ月前からあの体系変わってないけど、ほんとにダイエットしてるのかしらね~」


楓のやつ、そんなこと思ってたのか。確かに俺は太っている。大学4回生にして体重は130キロを超え食べる量も多くなり、食費がかさみ始めた。一人暮らしをしている俺にとってこれは一大事だと思い、最近ダイエットをし始めた。しかし楓の言うとおり、ダイエットを始めて数カ月経つが全く体系は前と変わってないし、何より「痩せている」という実感がない。多分やり方が悪いのだろう。


「とにかく遥は明日、陵介先輩に告白すること!いいね?」

「う、うん…」



結局、楓がなんで「俺に告白すること」を罰ゲームにしたかの理由は分からなかったが、明日告白してくる予定の遥は俺の好きな子…


でも、ダメだ。罰ゲームで告白してくるんだから、彼女は俺のことを何とも思ってないはずだ。いくら彼女が欲しい俺だからと言って、せっかく付き合うなら両想いじゃないとさすがに嫌だ。


でも…


でも…



陵介の心は揺れに揺れまくっていた。

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