第10話 雲母あお 再会する 2021年7月2日 

今日も夜、散歩をしていた。

今日は出会うだろうか?

いつものように、黒猫を探しながら歩いていた。


いつもの綺麗な歩道を歩き、公園にさしかかったとき、黒い丸い影が動くのが目の端に入ったのだ!


「!?」


思わず足を止めて、薄暗い公園の中を動く、小さな丸い黒い影を見つめる。

そう、それはあの日出会った黒猫だった。

ブラウンがかった黒色、しっぽが太くて短め、手足が短い。そして、何より下を向いてトボトボ歩く姿は、間違いなくあの黒猫だった。


「くりかのこ!」

思わず、初めて出会った日につけた名前を呼んだ。

「にゃー。」

と、一回小さく鳴いた。

少し離れたところにちょこんと座ったので、ゆっくり静かに近づいてみると、

前回出会った時より警戒した様子で、パッと走っていってしまった。


2021年7月2日

雲母あお、再開する。


生きていてよかった。

姿を見せてくれてありがとう。

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