第3話 それは2021年4月28日だった

夜に散歩すると決めてから、夕飯後お散歩に出かけるようになった。

最初は、20分くらいで自然に家に帰っていたけれど、2週間過ぎた頃から、頑張れば1時間くらい歩けるようになった。

慣れとは素晴らしい。

誰も通らない。静かな近所。いつもよく見えるところも暗くてよく見えない。かわりに、明るい時は気にならないところが、街灯に照らされて不思議な景色に見えたりする。


最初は、景色を見る余裕もなかったけれど、時間が経つにつれ、見る余裕もできてきた。


明後日から5月。


散歩を始めたころは、桜の花がまだ少し咲き残っていた。

今は、緑でいっぱいだ。

季節の移り変わりは、早いな。

公園の周りも雑草で青々している。


公園の横の、お気に入りの歩道を歩いていた時である。

時刻は、20時30分。

私のいる反対側の入り口から、黒い丸いものがこちらに向かって動いてくるのが目に入った。

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