第2話 夜、歩くことにした

少し歩いたところに、小さな公園に続く、短いけれど綺麗な歩道がある。

その道だけ、等間隔におしゃれな街灯が灯っていて、その歩道を夜歩くのがお気に入りになった。


その歩道沿いには家が建ち、畑も歩道の両側にあって、その先に、公園がある。公園には、カラフルな遊具が立ち並び、お手洗い、水道、自動販売機が2機たっている。街灯の灯りが3個、オレンジ色に公園の中を照らしていた。

昼間は、子供達でいっぱいだけれど、夜はとても静かだ。自動販売機からブーンという機械音まで聞こえてくる。


まず、歩こうと思った時、服装を考えた。

運動するための服を一つも持っていなかった。

散歩なら普通の格好でもいいか?

運動靴だけ、購入した。


次に悩んだのが、時間。

朝がいいのかな?起きてすぐがいいのか?朝食たべたあとがいいのか?に悩み、朝は、いつ散歩に行けばいいのか決められなくて、断念した。

そこで、午後お散歩してみたら、手ぶらで普通のスカートとシャツにカーディガンといういでたちで家の周りを何周も歩いていたら、近所のおばあちゃんに、

「あんた、さっきから何しているの?」

と、不審がられてしまった。

「散歩です。」

と、答えると、

「なあんだ。何かのセールスかと思ったよ。」

と、言って笑われてしまった。


そこで、夜、歩くことにした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る