二 大乱
大乱である。
先帝は
しかし諸王も邪悪であった。帝位を
乱を大乱としたのが、
帝を
帝は無力な傀儡であった。文武の百官が従うのは帝ではなく東海王であった。事実、東海王が胡征伐の遠征軍を挙げると、
暴虐はなはだしき東海王を
交戦で死んだのではない。交戦する間もなく、東海王は病を発して死んだ。無力な傀儡と軽んじた
東海王を戦わずして
しかし洛陽に残っていた東海王の私兵らが、報復を
「滅びるな」
帝は目を覚ますと言った。
「もはや」
「いえ」
介抱していた宦官は、無礼を承知で玉声を遮った。
「なぜ」
帝は虚ろな眼で問う。
「主上がおりまする。玉体がご無事である限り、どうして国が滅びましょうや。国が滅ばずして、正道もまた、どうして滅びましょう」
帝は何も言わなかった。
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