閑話 ノンさんの受難

 伝説となったサラス・パテと『第一分署』のコラボは、その後、メンテナンスが完了してすぐに再開され、何事も無く普通に終わった。


 だが、その伝説を目撃した他のタレント達がブーイングを出し、結局その後もコラボが続き、最終的に『第一分署』の面々はサラス・パテの全タレントとのコラボを実行するハメとなったのだった。


 そして、ノンさんはユウナに迷惑をかけてしまった事を心の底から猛省し、彼女個人のチャンネルにゲストとして出演し、他のゲームをやるという約束をしたのだが……。


「はい! 今日は凄いよー! なんとあの『第一分署』のノンさんが遊びに来てます! どうぞ!」

「……ユウナさんや、なしてホラーゲームで遊ぶ事になったんや?」

「私の趣味だ」

「……」


 確かにどんなゲームでもやる、とは言ったが……何で寄りにも寄ってホラゲをやる事になったのか、これが分からない。


 醜態を晒したホラゲは別格として、ノンさんはそれ程ホラゲが得意ではない。ましてや、あのウィルス騒動でちゃっかり元ゲームのデータを確保し、自前でホラゲを作っちゃったエターナルリンク・エンターテイメントの完全新作ホラゲをやらされるとか、自分からバツを課したが本当の罰ゲームをやらされるハメになるとは思わなかった。


「今回のコラボはエタリンさんからの正式な案件になってます。エタリンさんクラスだと炎上しなくて良いですよね!」

「ソーデスネー」

「何でもあの騒動で使われたゲームデータの制作を担当していたゲーム会社と正式に業務提携し、新しいゲームを作っちゃうんだから凄いですよね!」

「スゴイスゴイー」

「ではやって行きましょう!」

「おー」


 テンションだだ下がりのノンさんの腕を掴み、ユウナは意気揚々とホラーゲームを起動させる。


「これは買い切りゲームなので、一本道のアクションシューティングです。きっとノンさんも気に入るでしょう」

「ハッハッハッハッ、ソウデスネー」


 テンションの高いユウナと一緒にゲームを開始し、ノンさんはそれまで割合として低かった女性リスナーを大量ゲットする事となる。


「やだぁー! お家帰るぅっ!」

「おお、ヨシヨシ、お姉ちゃんがついてるからねー」

「帰るぅっ!」


 幼女化したノンさんの破壊力は、多くの『お姉様』を誕生させた事をここに記載しておく……。

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