第55話 55
55
俺の名前はミヤギ。
都市伝説ハンターミヤギと言うチャンネルで動画配信で生計を立て、いずれ日本、いや世界最高の動画配信者になる者だ。
マインに動画の英語翻訳を依頼したが、話がズレてマインが出演し俺の動画を紹介する事になった。
その動画は人気が出て俺のチャンネルで公開している事から、俺のチャンネル登録者数及び動画再生数は伸びた。
俺は悔しくて家を飛び出した。
撮影機材は持って来たが行く当てがない。
行く当てがないなら都市伝説ハンターとしての職務を
それはある池のボートに恋人同士で乗ると別れると言うものだ。
正直、俺の中で都市伝説としては
そして俺が行きたくない理由は、カップルの別れを見届け声を掛けなければいけないと言う事だ。
そう、これはかなりの確率で男か、女の地雷を踏む事になる。
最悪の場合、男に刺されるなと思いながら俺は公園へとやって来た。
現在の時刻はちょうど昼の12時だ。
俺は目を凝らし地雷じゃなさそうな大人しそうなカップルを物色する。
当然ボートに乗る前に目を付けておくのだ…そして見つけた。
男は普通な優しそうな25歳くらいで、女の方も歳が同じくらいで顔付きが暗く今にも別れそうな雰囲気だ。
俺はカップルがボートから戻るのを少し離れた場所から見守った。
そしてカップルがボートから降りて来て、そのまま遊歩道の方へ歩いて行く。
俺はそっと陰に隠れながらその後を追う。
すると曲がり角から話声が聞こえて来たのだ。
「○○君はいい人だけど、ごめんなさい。別れましょう」
俺はガッツポーズをしてとりあえず二人いると危険なので女が一人になるのを待った。
そして女が一人になった所で声を掛けた。
「都市伝説ハンターミヤギです。カップルでボートに乗ると別れる取材をしているのですが、今別れたのですか?」
俺は女に声を掛けるが無視をされるが俺は頑張って声を掛けると女が反応した。
「もう、分かったわ、別れたわよ。ボートの噂はしっていたからやってみたのよ」
「他の場所での別れは考えなかったのですか?」
「だって出会いと別れは人生に置いて大事な事でしょ。だから忘れない為にあえてそうしたのよ」
「なるほど」
「そして今私はあなたと出会えた」
女の顔が醜悪に歪む。
「いや、俺はあなたに質問しただけで…」
「逃げれば大声で叫ぶわよ。痴漢ってね」
女は不敵な笑みを浮かべる。
俺は見余った。大人しい女だと思ったがヤバヤバだった。
そして俺は連行された。
……
「ミヤギ君ご飯食べる」
「おうっ昼飯はなに?」
「ミヤギ君の好きなハンバーグにしたよ。インスタントだけど」
「サンキューな。泊まらせて飯食わせてくれるんだから文句はないわ」
俺はそういいながら女の作った飯を胃に流し込む。
不味くはない上手くもない、いつもの日常と少し違う間隔だ。
「今日の夜も泊って行く?」
「いっいやっすまない。動画の編集をしたら次の撮影の為に出て行くわ」
「そっそうなの残念。又、昨日の夜のような興奮が味わえると思ったのに…」
俺は背筋に冷や汗が流れると、背中にピリッと言う小さな痛みが走る。
俺は女との会話を終わらせ急いで動画編集を行い、俺は出て行く前に鏡の前で自分を見つめると顔に『×』の傷が刻まれている。
あの女、遊び用とは言え思いっきりムチで叩きやがって…。
そして俺は女に挨拶もそこそこに逃げるように女の家を飛び出した。
このままでは大手を振ってマインの元へは帰れない。
俺は撮った動画を上げるか悩んだが、都市伝説ハンターとして動画を上げないのは駄目だと思い、以前から進めていたサブチャンネルで上げる事にした。
これはマインも知らないからだ。
『都市伝説ハンターミヤギ 有名公園のボートにカップルで乗ると別れる伝説~M女との死闘~』
内容は、カップルがボートに乗りそして降りて別れる。その後部屋にカメラが変わり、女がラバースーツを着た女性へと変身する。その後、背中にムチで打たれたような傷を見せるように背中からボート乗り場を見つめるミヤギで終わると言う、なんともゴミのような動画だった。
ミヤギは完成した動画を見て真剣に旅に出ようかなと思うが、メインチャンネルの登録者と再生数を見てマインの所に帰えるのであった。
「ただいま」
「あっお帰りミヤギ。何処行ってたの?」
「さっ散歩だよ」
「少し長い散歩だったね」
「考え事をすると時間の間隔がなくなるんだ」
「まあ、それはいいとして動画は全部上げといたよ」
「おう、サンキューな」
「なあ、マイン俺と動画撮影の旅…旅行に行かないか?」
「行く!何処に行く?」
「あてのない旅って面白くないか?」
「面白い、そこで動画撮って上げるんだね」
「そのつもりだ。さあ準備して行こう」
この思いつきの行動がミヤギを本当の都市伝説ハンターへと押し上げる切っ掛けとなるのだった。
*
俺達は早速会社を興すべく行動を起こす事にした。
まず最初に
当然だが安藤さんが対応してくれて担当者が来てくれる事になった。
-
「初めまして、ブラックスマイル法律事務所です。私が今回対応させて頂く
来てくれたのは年齢が30手前27、8歳位の黒髪セミロングの綺麗な女性だ。
キッチリとスーツを着こなし、書類が入っているだろう茶色の鞄を持って現れた。
「はじめましてシグナルスキャンこと鈴木です」
「わたしはシグナルスキャンのサポート役安藤です」
俺は名刺がないので安藤さんが名刺を交換した。
『ブラックスマイル法律事務所
電話 000-869-04510-864
mail uraga_aruyo@black_smile_hou_no_nukeana_omakase 』
まず俺達は事業携帯等の説明を詳しく
「だいたいの事はわかりました。それで資本金はどの程度を考えていますか?」
俺達が少し考えていると
「資本金が低い場合のリスクは、資金がショートする、金融機関から希望どおりの融資を受けられない、取引ができなくなると言った事が挙げられます。具体的にですと、経費の支払いなどによって売上が立つ前に、資金がショートしてしまう可能性があります。後、関係があるかはわかりませんが、金融機関から融資を受ける場合、会社の体力を示す目安としてチェックされるのが資本金です。あまりに資本金が低すぎると返済能力が低いとみなされ、希望どおりの融資を受けられないこともあります」
正直に困った。
現状では金融機関からの融資はまったく考えていないのでそこのリスクはないと思うが、この先に絶対はないからだ。
「もし金額に困るようでしたら、3か月もしくは半年の運転資金を資本金とするのがわかりやすいですね」
なかなかいいアドバイスを貰ったので俺は安藤さんに声を掛ける。
「安藤さん後でおおよその3か月の経費出しといて」
「うん、わかった」
「と、言う訳で資本金については後で返事しますね」
俺は
「分かりました。それで代表取締役は鈴木さんでよろしいですか?」
「はい。それで隣に居る安藤も大学卒業と同時に、役員と言う形で雇用したいのですが可能ですか?」
「手続きがありますが大丈夫ですよ。それまではどうされるのですか?」
「現在、個人事業主としてやっているのでそれを継続してもらう予定です」
「わかりました」
こんな感じで俺達の要望を
……
「それでは今日はここまでにしておきますね。会社を興すのは鈴木さんが大学4年生の内と言う事で時間もありますので。失礼します」
「疲れたね」
「でも、これでだいぶ進んだね」
「そう言えば法律事務所の手数料の話をしていなかったけど、又でいいのかな?」
「後で請求来るんじゃない?絶対に無償な訳がないから」
「それで話は変わるけど2階で行う詳細占いの予約ホームページに追加で来た?」
「今やっててもうすぐ完成するわ。どうせならフォームだけでも見て見てよ」
俺は安藤さんにパソコンの画面を見せて貰った。
『個別詳細占いをします。体の細かな所まで占います。
料金は5万円
時間は20分程度
入力フォーム 名前(お呼びする名前)・性別・日付時間』
日付時間はボタンを押すとリストが出て来て選ぶ形だ。
そして下には詳細占い用紙が例題として画像が張り付けてあった。
「これで十分じゃない?」
俺は聞くが安藤さんは首を横に振った。
「なんか、こう、もっと、なんて言うかしっくり来ないのよね」
「いや、とりあえずこれで運用して見て駄目なら改善したら?」
「わかった。そうする」
-
数日後俺達は
その中で一人声を掛けて来た人が居た。
参議院議員の
血縁関係のある20代のいとこが病気にかかっていて中々病状が改善されずにいるらしい。それで是非シグナルスキャンの力で占って欲しいとの事だった。
俺達は直ぐにその依頼に応じて病院へと足を運んだ。
そしていつも通りの詳細占いを行い、その結果を病人の保護者へと渡した。
保護者は直ぐにその結果を担当医に渡した結果、俺達は説明をする事になった。
俺達の所に来た医師は少し偉そうな感じの医師と言う感じだった。
医師は俺達の説明を受け考える様な仕草で独り言を口にした。
「なるほど、これが噂のシグナルスキャンの病気占いか」と。
俺達は何の事かと思ったがその場はそれで終了となった。
しかし、この医師への説明がさらに俺達を取り囲むトリガーになった事は健一達は知らない。
健一は『今日も儲かったね』と気楽に安藤さんを食事に誘うのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます