第18話 18

18


インターネット掲示板スレッド


『若手お笑い芸人を応援するスレ★214』


554 名もなきお笑い芸人


七転ななころ六起ろくおき ころんだままやんけが、又イベントでやらかしたぞ

今度こそヤバイかも


ttp://www.○○製薬イベント.jirai_pea


555 名もなきお笑い芸人


誰にでもキレゲーはヤバイやろw


556 名もなきお笑い芸人


あの目つき犯罪者確定ww


557 名もなきお笑い芸人


前々回のイベントの時もやらかしてたな


558 名もなきお笑い芸人


公開セクハラのやつ?


559 名もなきお笑い芸人


共演のあんまり売れてないアイドルに、抱き着いてたやつww


560 名もなきお笑い芸人


抱き着きながら胸触ってたぞ、スロー映像流れてたからなw


561 名もなきお笑い芸人


女にえすぎ君w


562 名もなきお笑い芸人


あれからアイドルとの共演NGの噂あるよね


563 名もなきお笑い芸人


そろそろ干されるんじゃね


564 名もなきお笑い芸人


>>563

まだイベントに呼ばれるから事務所も押すでしょ


565 名もなきお笑い芸人


胃がん克服ってマジ?


566 名もなきお笑い芸人


>>565

あれ、ネタらしいぞ


567 名もなきお笑い芸人


>>566

マジか!それでイベント出ていいのか?


568 名もなきお笑い芸人


芸人ヤバイ奴しかいないww


569 名もなきお笑い芸人


シグナルスキャンとか言う占い師に食道がん告げられてたぞ


570 名もなきお笑い芸人


>>569

あれも無名の芸人じゃね?


571 名もなきお笑い芸人


俺もあんな芸人初めて見たぞ

しかも病気占いがネタなのか?


572 名もなきお笑い芸人


俺もあの程度の占いネタでいいならイベント出れるぞw


573 名もなきお笑い芸人


あれは本当の占い師らしいぞ、芸人じゃないらしい


574 名もなきお笑い芸人


>>573

どこから拾って来た占い師だよw


575 名もなきお笑い芸人


>>574

結構当たる占い師らしい

別スレで騒いでた


576 名もなきお笑い芸人


>>575

そのスレは?


577 名もなきお笑い芸人


>>576


ttp://www.怪しい占いに行ったんだけど興味あるやついる?.sure


578 名もなきお笑い芸人


>>577

サンクス 見て来るわ


*


あのイベントから少し経った頃、安藤さんの個人事業主登録が完了し無事『安藤屋』が開業した。

俺はその情報を聞いて早速安藤さんを自宅に呼んだ。


「安藤さん、安藤屋開業おめでとう。これで晴れて社長だね」


「まあ、一応名前だけだけどね」


安藤さんは照れ臭いのか髪を手でいじりながらそんな言葉を返した。


「それで本題なんだけど」


俺はそう言うと早速切り出した。


「以前話した通りに安藤さんじゃなくて安藤屋へホームページの作成依頼を出したいと思うんだ。実際は既に作ってあるんだけど、その辺は目をつむって契約を交わしてほしい。それでこれが俺が作成した契約書なんだけど、内容を確認して2枚ともに署名と捺印及び割り印をお願いできるかな?」


俺は机の上に2枚の契約書を並べた。

当然2枚とも内容は同じでそれぞれ保管する用だ。

これは以前のイベントで契約した契約書を元に作ったものだ。

そして安藤さんは契約書を読んで行き下の方に目を向けた時に声を上げた。


「ちょっと鈴木君、作成料8万円って高すぎない?」


「えっ?高くないよ。これでも安くしたつもりだよ。10万円を超えるとなんかやらしいし、かと言って9万円だとギリギリを責めた感じだから8万円になったんだよ」


「そっそれでもあれだけの作業で8万円はね…」


安藤さんは何やらさらに言いたそうだったが俺は閉めに掛かる。


「もう契約書に収入印紙まで貼っちゃったんだから契約しないとお金を捨てる事になるんだけど」


俺は安藤さんが断りにくい様にあえてその方法を取ると、安藤さんは了承し契約書に署名と捺印と割り印を押してくれた。


「ありがとう、それじゃあ8万円と受領書を渡すので受領書に捺印とサインしてね」


安藤さんは諦めたのかさっさと済ませてくれた。

そしてさらに俺は契約書を机の上に置く。


「それでこの契約書がホームページの更新依頼の契約書ね。契約は2か月単位で行って月3万円の2か月分で6万円ね。サインしてね」


「ねえ鈴木君、これこそ高すぎでしょ」


「そうかな?1日千円と見積もればそうでもないよ。それに契約書に書いてあるように、メールの対応も含むんだから手間は掛かるよ」


はぁーと安藤さんはため息を付きながら軽く契約書に目を通してサインした。


「それじゃあ2か月分で6万円渡すね。受領書も」


「このお金は終了後の2か月後じゃないの?」


「えっ?契約書の一番下に「甲は乙と契約を交わした際に契約金を支払う事」って書いてあるでしょ?」


「っ!」


安藤さんはヤラレタと言いたいばかりの顔をしていた。

俺はとても満足していた。

やっと安藤さんにお金を渡す事が出来たからだ。

安藤さんは俺と出会うまで病気だった為、今年の収入はゼロのはずだ。

だから扶養を外れない金額の100万円までは受け取れるはず。

俺はどのように安藤さんに金を渡すかの思考をするのだった。

ちなみに言っておくが俺が親の扶養から外れそうだから税金対策で安藤さんに金を渡している訳ではない、決して違うからね。


俺は契約が終わった事で気分が良くなり、親の車を借りて安藤さんを自宅に送りつつ夕ご飯を共にするのだった。

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