第6話 6
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二週間後俺は前回と同じショッピングモールに来ていた。
場所は前回と同様の三階にある専門店と専門店を結ぶ渡り廊下だ。
俺は前回の結果で少しの自信を得ていた。
今回の目標は場所代の2万円+消費税分を稼ぐ事だ。
そして10時ともに店が開店した。
人の流れは前回と同様にまあまあの人がいる。
俺は流れる人を見ながらたまに手元にあるスマホを見ながら時間を潰していた。
そして最初の客は開店して30分後、そう10時30分に来た。
歳の頃は40代後半位のおば様だ。
俺はいつ通りの対応をし結果を渡した時に、自分の事や家族の事をペラペラと話す
「一つ質問なんですけど、この店を見ていきなり来られたのですか?」
俺がもし客なら絶対にいきなりは来ない店だからだ。
自分でやっているが仮面を付けた怪しい店にいきなり来ないので質問してみた。
「実はねスマホでこんな記事を見つけて面白そうだから来ちゃったの」
おば様はそう言うと笑顔でスマホの画面を俺に見せて来た。
それはブログのようなサイトで、サイトの名前は『サキの占い道中記』だった。
俺はそれを見た時「うわぁ~何これ!?」となんとも言い
「そっそうだったんですか」
俺は苦笑いをしながら返答し切り抜けた。
その後もチラホラと客が来るのだがなんだか、少し離れた所からの視線をずっと感じていた。
俺の格好はとても変なので見られている事は確かなのだが、少し変な視線を感じていたので気にしていたが、もう少しで昼になる時間に一人の男が俺に話しかけて来た。
その男の見た目は派手と言う言葉が合う男だ。
見た目は20代前半で髪の毛の色はピンク?に近いような感じで、服装も少し派手めの格好だ。
だけど、話す声色と言うか話し方はとても丁寧で話慣れているような感じだ。
「すみません。少しお話をさせて貰ってもいいですか?」
「はい、構いません。どのような話ですか?」
俺も丁寧に返事を返す。
「僕はネットで動画配信をしている者で都市伝説ハンターのミヤギですけどご存じですか?」
都市伝説ハンター?
俺も一応動画サイトはいろいろチェックしているが聞いた事がない。
最初は知ってると嘘を言おうと思ったが正直に答える事にした。
「ごめんなさい、あまり動画配信を見ないので知りません。すみません」
俺の返答にえっ!?知らないのって顔をしていたが、男は平然を装い答えた。
「まっまあ、知らないならいいです。実はシグナルスキャンさんに動画の出演を依頼したいのですがどうでしょう」
俺はこいつ何言ってんの?と思ったが、俺はない頭を高速で回転させメリットとデメリットを考えた。
メリットは簡単だ。
有名になれば客が増え収入が増える。
デメリットは…身バレがしやすくなるぐらいか…。
現状デメリットは少ないと判断した。
「構いませんが条件を聞いてもいいですか?」
俺は丁度昼時になったので『少し席を外します』の立て札を机に置いて、動画配信者のミヤギさんと話す事にした。
場所は2階にあるボックス席のある喫茶店に来ていた。
もちろんだが、俺はマスクを着け服装もそのままである。
周りの客と店員からは何あれ?と変な目で見られていたが、ミヤギさんは平然としていた。
俺は話をすると言う事でコーヒーとサンドイッチを注文した。
マスクをしているのでサンドイッチ以外の食べ物は食べにくいと言うのが正直な所だ。
そしてミヤギさんはコーヒー飲みを注文していた。
「動画の出演と言っても普段シグナルスキャンさんがいつも行っている占いを撮らせてもらえるだけでいいんです。特に特別な事をお願いする事はないのですが、僕がカメラに向かっていろいろ説明する時間やリアクションする時間をもらえればいいだけです」
「じゃあ俺が特に何かをすると言う事はないんですね」
「ええ、その通りです。それだけです。時間は大体30分程もらえれば報酬は2万円をお支払いしたいのですが、どうですか?」
俺は金額を聞いて正直『おいしい』と思った。
いつも通りの事を行って2万円。
恐らく全検査だと思うが大した事はない。
「オッケーです。依頼を受けます」
「ありがとうございます。それでは昼始まって直ぐの1時から撮影でいいですか?」
「ええ、いいですよ」
「それでは、よろしくお願いします」
ミヤギさんは笑顔で右手で握手を求めて来たので、俺はミヤギさんに答え握手を交わした。
*
<ミヤギサイド>
へっ上手くいったぜ。
これでこのペテン師占い師を笑い物に出来るかもしれないし、もしかしたら本当のチート持ちかもしれない。
なんせ、俺の手の中には一週間前に医者で検査した健康診断の結果があるからな。
シグナルスキャンが出した結果と直ぐに病院で検査した結果をその場で照合してやる。
登録者が伸び悩んでる時に丁度いい奴が現れるとは俺もまだ運に見放されてはいないと言う事か。
いや、これは情報収集をしっかりしていると言う
まあ、掲示板のスレッドさまさまってとこだがそれも俺の実力よ。
そして約束の時間が刻刻と迫るのだった。
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