直樹とマッチングアプリ
衝撃の事実を知ったあの日から、
雅人は他のチームのトラブルを鎮火させるために、一人黙々と仕事を進めていたし、
だから雅人から、過度なパワハラも感じない日々が続いている。これはこれで正しいことなのだか、何か物足りない。雅人と絡みのない日々は退屈なのだ。
そんなある日、雅人も
「ねぇねぇ~
「あ、ごめん。お弁当持ってきちゃったんだよね」
「えっ!? 作ってもらってるの?」
「まさか!? 独り暮らしの身としては、作ってくれる人なんていないよ。自分で作ってるの。そんなにしっかりしたモノじゃないけどね」
―― まぢか…。私より女子力高い…。
「あ、よかったら外で食べない?
「りょーかい! そうしよう」
ということで、
「
「あ、ありがとう! お待たせ! さぁ~食べよう! お腹すいちゃったよ~」
―― うん?
「うわ~美味しそうだね。ちゃんとしてる…」
「ありがとう~。これ昨日の残りの生姜焼きを詰めただけだよ。卵焼きくらいかな~? あ、でも朝ごはんに食べてるから、ほとんど詰めただけ。で、
いや、気にしないで。と言い
「あのさ~、サラダを買ってくるとかしないの? 野菜はキライだったっけ?」
あまりにも偏った食事をみて
「ううん~キライじゃないの。ただ何となく今日は選ばなかっただけだよ」
「そっか。よかったらこれ食べる? あ、人の作った物とか食べるの嫌だったらごめん」
「えっ? あ、ありがとう~。でもまだサンドウィッチも2つ買ってるから、大丈夫だよ。ありがとう!」
バランスを摂ってって話だよ。と
二人はご飯を食べながら、それぞれの仕事の話やテレビの話などたわいもない話で盛り上がった。
「ねぇ~さっきからスマホ気にしてるみたいだけどさ~、次ミーティングとかあるの?」
「あ、ごめん。違うんだ」
「うん? 違うならいいんだけど~、無理しないでね。戻るなら戻れるよ?」
「ごめんごめん。戻らなくちゃいけないわけじゃないんだ。あのね、実はさ~」
「何々?」
「今週、アプリで知り合った人と会うことになってってさ~」
「えぇ!? そ、それって、今話題のマッチング?」
「うーん。ちょっと違う。」
―― 何が違うの? 何? 何?
えぇ~気になる~気になるぅ~。 脳内の小さい
「昔で言うところの、結婚相談所のアプリでね。理想の条件をインプットすると、マッチする人をリコメンドしてくれるんだ。でね、お互い会ってみたいってなった時、会う約束をするんだけど、初めて会う相手とは、結婚相談所の方で連絡とか管理してくれるんだ。」
「えぇぇぇ!?
「あはは、相変わらずだね。驚きすぎだよ。」
あ、ごめん…。と
―― 落ち着け私! これは、いつもの
「で、今週会うんだけど、会う時間は2時間って決まっていてね。どこで会うかどうするか、担当の人と連絡のやりとりをしてるから~、ちょっと気になっちゃってさ」
「そ、そうか~。本当に結婚相談所とか行く人、初めて見た」
『
「どんなタイプが良いとか、
―― これは、ただの興味です!
「あ、聞いてもよかった?」
「うん、全然いいよ。特にこれっていうのはないんだけど、結婚したら家庭を壊さないこと。かな~?」
「それ、当たり前のことじゃないの?」
ゴクンゴクン。
「うーん、そうなんだけどさ。別に奥さんになる人には僕以外に好きな人がいてもいいんだ。その気持ちを隠さず話してくれれば。嘘をつかないってことかな? そしてちゃんと家庭に帰ってくる人であれば、容姿とかこだわりはないんだ。」
「えっ? え?? よくわからないんだけど」
「あ…」
「うまく言えないんだけど、僕は好きな人と結婚しちゃいけないんだ。好きになるとのめり込みすぎちゃってね。気になっちゃうんだ。今何してるんだろう? 誰といるんだろう? 僕の事どう思ってるんだろう? とか。それって一歩間違えたら犯罪でしょ?」
「う、うん。そうだね」
「だから
「えっ?」
「あ、ごめん。
「うーん。良く分からないけど、いわゆる生涯の生活を共にするパートナー探しってことだよね? 良い人だといいね。その人」
「ありがとう! そだ。
ありがとう~、なんて言いながら複雑な思いで
―― それって…、結婚しても浮気(?)本気(?)の恋愛は自由。だけど決して家庭は壊さない。ってことだよね? それって…相手の気持ちはこれっぽっちも考えてないってことだよね? う~ん。謎。
『元気だして! 男が全員
――
乙女の恋愛事情!王子様は変人⭐なのだ! 桔梗 浬 @hareruya0126
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