誰を選ぶ!?
雅人の元恋人の
―― あんなに綺麗で仕事バリバリ風の女性が
そんなことを考えていた
* * *
ここは英国風のお庭。どうやら
「やっだぁ~。うふふ」
キャッキャウフフと、楽しそうな女性たちの声が聞こえてきた。
―― 人の声? きっとこの辺りに住んでる人だわ。出口を知っているかも?
すると目の前に奇麗な小川が流れているのが見えた。その小川は1mちょっとの幅があり、
―― よし、これなら飛び越えられる。ちょっと助走をつければ、きっと出来る!
「よしっ」
「ハシタナイから飛ばないでください」
「た、高橋さん?????」
そこに現れたのは、スーツをカッコよく着こなしている
「ちょっと向こう岸に行きたくて」
「向こうに行かなくても、ここでお茶でもどうかな?」
「行こう。二人きりのティーパーティだよ」
二人きり!?
「君がここに来て、僕を選んでくれたこと。すごくすごく嬉しいよ。その選択、後悔させない。絶対に」
「
でも
そんな
「
そこには、爽やかで優しくて穏やかな
―― あぁ~
「僕は君のこと
「
「目…閉じて」
―― 私、
目を閉じる
―― うん?? ちょっと待って!? 何だろうこの違和感。
「
ツンツン。誰かにドレスの裾を引っ張られる感覚がする。
「ねぇ~遊んで」
「えっ?」
「パパ~。この人が新しいママ?」
「そうだよ。仲良くしようね」
―― えぇぇぇぇぇぇっ?? 何? 何? どうゆうこと?
「
「
どの子も目がクリッとしていて、
そのチビッ子の行列は永遠に続く長さに思えた。
「えっ? えっと? えっと? いったい何人いるの?」
いつの間にかその行列には、見たこともない女性たちが並んでいた。みんな不思議とニコニコしている。
「
「大丈夫~君は先頭に並ばせてあげるから~。みんな仲良くしよ~」
―― やだやだ! お母さんになれる自信なんてないし、愛人なんて絶対イヤ!
夢見る乙女としては、自分だけを見て自分だけを愛してくれる人と結ばれたい!と思ってしまう。それが待ちに待っている王子さまなのだから。
行列の中に、知った顔が並んでいた。その人物はモジャモジャした頭をしている。
「えっ?
順番が巡り、雅人が
「
「
「
雅人は相変らず不機嫌な顔で、
「え? 髪の毛もう伸びたんですか?」
「伸びるの早いんでね」
「髪の毛伸びるの早い人って、変人が多いいっていいますよ」
「うるさいっ」
雅人はプイっと、さらにそっぽを向く。あれ? 怒ったのかな? 変人に変人と言ってなにが悪いのだ!?
「えいっ」
何故そうしようとしたのか分からない。
スポっ。雅人のモジャモジャ頭がポンと取れた。
「お、おいっ! 何すんだよ」
「あはははは。モジャモジャ! ポンって。あははは」
* * *
「あはっ?」
夢の内容はよく覚えていなかったけれど、何だかとっても楽しかったことだけは覚えている
「…お風呂はいろ」
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