来るもの拒まず、去る者追わず
ランチも終わり、雅人の姿を見ないまま時は過ぎていく。
あれは絶対どっかの部の課長さんだったはず。貫禄がすでに管理職だったもん。今の
どんなに考えても
―― 鳥山くん、あ、もとい
何やらすごく楽しそう。
その見知らぬ女性はとても綺麗で華やかだ。髪をアップにあげスタイルの良さが引き立つスーツと、ゆうに8cmはあるピンヒールを履いて、コツコツと華麗な音を立ててこちらに向かって歩いてくる。
身長の高い
―― きゃっ。まぶしい! 何なの? 輝いてます!!
「ただいま!」
「「お帰りなさい!」」
「へ~。ここが
「は、初めまして」
「こいつは、俺と雅人の同期の
よろしくね。と
「そう言えば、雅人は?」
失礼な女、もとい
「今日は休みなんじゃないかな? そうだよね、
「えっ? あ、おそらくお休みかと」
―― 高橋さんが! 私を名前で呼んでくれたぁ~! やった~! やった~!! 録音したぁ~い。(ガッツポーズ)
「じゃ、後で合流かな?
「お~」
と…言うことで、今
この時初めて
なんだか
「さぁ、食べよう! 遠慮なしの
「もちろん!」
「ほら、
「あ、ごめんなさい。気づかなくって」
「良いって、こんなところまで気を使う必要はないよ」
―― あぁ~何て良い人なの? 高橋さんって素敵です!
「ったく…、そうゆうのは、下っぱが率先してやるものだ」
―― げっ?
入り口から雅人がぬぼっと現れたのだ。しかも誰? っていう感じに、こざっぱりとしてモジャモジャ頭も髭も綺麗さっぱりなくなっていた。
なんと、鼻筋が通っていてバランスの良い小顔の雅人が、そこにいた。
雅人はなにも言わず、
―― 誰? 顔ちっちゃ!
「雅人! 久しぶりね」
「雅人生きてたか? おっ? 散髪してきたんだな」
「ちょっと…青木さん。じっと見すぎだよ」
「えっ? あ…」
「雅人、元気だった? 私に会いたかったんじゃないの?」
―― えっ? 超自身満々に言ってますけど?
「なわけないだろ?」
雅人は少し不機嫌そうに、
「この子が雅人の部下なの?」
「あぁ」
興味なさそうな雅人。こんな態度なら、来なければいいのに。と思ってしまう。
「
お世話しているのは、
「
「あぁ~いいえ…」
何と答えていいか分からない。変人なんかじゃないですよ、って言えば嘘になる。
「あの~、
「そうよ~」
「こいつは、雅人の元恋人だよ」
「えぇぇぇ?」
「
「あ、えっと…」
どうりで雅人が不機嫌なわけだ。どうせフラれたのだろう。というかどうやったらこんな素敵な女性と付き合えるのか、それが聞きたい! 人間性はわからないけど、女の
「ふふ。びっくりよね~。私もびっくりだもん。この人頭はいいんだけどね~女性の扱いは全然。この私に冷たくできる男は、この男くらいよ」
「直人は元気にしてるのか?」
―― 直人さん? また新しい登場人物がでてきた!
「えぇ。たまには会ってあげたら? 実の弟でしょ?」
「えっ? 弟さんがいるんですか?」
「 あははは、
「えぇぇぇぇ? あ…ごめんなさい。驚きすぎ…ですよね」
「大丈夫よ。驚かれるのも面白いもの。私の本名は、
驚くことがいっぱいで、情報の整理が追いつかない。
―― 何なの? この二人。
「弟子1号、俺のことはどうでもいい」
「どうでもって…」
「弟子1号って、雅人~あなた昔から失礼な奴だったけど、磨きをかけたわね。ま、そうゆうところ嫌いじゃないけど」
―― えぇぇぇぇ~?? 何なのこの人たち!? 高橋さんも、
その後の事はよく覚えていない。だって、あまりにも色々ことが衝撃的で。
最後の最後で、男どもは
「あはは。
取り残された女2人で、駅に向かう。その途中で
「男どもはきっと、女の子がいるお店にいったのよ。いっつもそう」
「えっ?
「あは。
はぁ…。
「あ~! 今不潔~とか思ったでしょ?」
「えっ? あ…」
「いい? これは私の自論だけど、遊びを知らない男はつまらないわよ。それに遊んでない男もダメ。結婚してから遊ばれたら目もあてられないわ」
「そうゆうものですかね?」
「あと最後に、私からのアドバイス!
「ど、どうしてですか?」
「それはね~。落とし甲斐があるから。なんてね~」
あははは~じゃ~ね~。と言って
駅前で、ポツンと取り残された
―― な、何だったんだろう? 何気に、つ、疲れました…。
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