俺のパンツを洗濯してくれないか?
「で、そっちはどうなのよ?」
「どうって?」
「変人とペアリングされてるって聞いたよ?
「大丈夫もなにも、弟子1号って呼ばれててさ~。あれは…、絶対私の名前覚えてないと思うんだよね」
「何それw」
白ワインを片手に
「それって、
そんな良いもんでも何でもない。理不尽なことで怒られるし、指示はめちゃくちゃだし…。それを経験したとしても、いいな~と言えるのだろうか。
ただ、雅人はお客様からの信頼が高いのも事実だ。
「ま~仕事が出来る人なんだろうなーっていうのは認めるよ。でもねー。頭はいつもぐちゃぐちゃだし、何考えているか分からないし…。朝は酒臭いし。細かいし。パワハラ野郎だし、もう人としてどうなの? って感じだよ」
「あはは。
「あのね~。絶対ないから。あの人の彼女になる人がいたら顔を見てみたい。会社に住んでるし、野菜は絶対食べないし、俺様だし、超めんどくさい!」
「な、何よ」
「それって、彼氏の愚痴を言ってるように聞こえるよ」
「ちょっ。やめてよ~~~。ぜったいないから!」
―― 私だって、格好良くてスマートに仕事ができて、そしてプライベートも充実できる優しい彼が欲しいっ。
チラッと
―― 高橋さん、奥さんとか恋人とかいるのかなぁ~? いるよねーきっと。あんなにカッコイイんだもん。女性がほっとかないよね~。
ぶるんぶるん。
当の変人雅人は家にも帰らず、会社に泊まったりしている。たまにどこかに行っているようだけど、近くのホテルか飲み屋に居るという噂をきいたことがある。
なんでも…半年ぶりに家に帰ったら、お風呂の中にネズミが…(これ以上の描写は自粛)。それ以来怖くて家に帰れないらしい。
引っ越せばいいのに。
「弟子1号。すまないが俺のシャツを取りに行ってきてくれないか?」
「えっ? 今何て?」
「俺のシャツを向かいのビルのクリーニング屋に受け取りに行ってきてくれない? って言ったんだけど」
な、何をいいだすのだろう?
そのうち俺のパンツを洗濯してくれないか? と言われそうな気がして、さすがの
「そうゆうのは、自分でやってください。私は秘書でもなんでもありませんから」
あ~スッキリした。もっと言ってやろうかと思ったが、今後のことを考えるとこの程度で我慢する。
その後、あの変人に物を申した女がいるぞ! と
当の雅人は自分の発言が不適切だったことも気づかず、仕方ないな~後で行くかってう感じで気にも留めていない。
頭をぽりぽり掻いて、パソコンに真剣に向かい合っている。
お風呂はどうしてるんだろう? お酒も止めて欲しい。
まるで母親の気分だ。ありえない…。
―― あぁ~もぉ! 何なのよ!!
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