第3話 だから嫌いなんだよ右京!お前がな.....!

☆飯山右京サイド☆


翌日の休み。

残念ながらお兄ちゃんは私と一切接触しようとしなかった。

当たり前の様に嫌われている。

私はそんなつもり無いのだが何故嫌われたのか。

それは分からない。

全てはお兄ちゃんの為に私達の為にやっているのだが。


その日からお兄ちゃんは夜遅い私達の父親。

そしてお兄ちゃんの母親が居る事を逆手に取って私達と食事をしなくなった。

とても寂しい。

私は考えながら左京を見る。

左京も同じ思いの様だ。


「.....だけど今は我慢だね。右京」


「そうだね。左京」


そんな会話をしながら私達はご飯を黙々と食べる。

それからゲームをしようと思いテレビを点ける。

そうしてからゲーム機械を取り出した。

私達が好きなのはホラーゲームではない。

意外と思われるかもしれないが犬育成ゲームが好きだ。


「.....今日も飯をいっぱい食べてるね」


「そうだね。うん。左京」


「.....何だかこうして見るとお兄ちゃんみたいで安心する」


「それは確かにねぇ。右京」


そんな会話をしながら私達は犬を育成する。

この犬の種類はミニピン。

ミニチュアピンシャーという名前の犬だ。

私達のお気に入りだった。

名前はスバルという。


「.....左京」


「.....何?右京」


「スバルがうんちしたよ。どうやるんだっけ」


「あれま。片付けないと。確かBボタンだった」


そんな感じで会話をしながらゲームの散歩道で散歩中にうんこをしたスバルのフンを拾ってからそのまま部屋に戻って来る。

因みにこの犬がスバルなのはお兄ちゃんには内緒だ。

私達の内緒の秘密。


「.....可愛いよね。犬って」


「.....そうだと思う。.....私も癒されるから」


「.....それに比べて人間の女ってのは本当に醜いね」


「醜いね。確かにね」


私達はそんな会話をしながら感電装置を見る。

側で左京が改良しながら電流を調節出来る様にしている。

こんなものが活躍出来る日が来ない事を祈りたいが。


渋った女には使うつもりだ。

お兄ちゃんは決して渡さない。

私達の電磁波の怒りを浴びせるつもりだ。


「.....右京。出来たよ」


「.....ああ。.....そこまで改良したんだ?.....有難う」


ハンドル調節出来る様にした様だ。

今度マウスでも使って実験してみよう。

思いながら私は笑みを浮かべながら。

目の前のミニピンを見る。

それから愛でていた。


「.....右京。使う日が来なければ良いね」


「そうだね。左京」


私達のハーレム計画に踏み込む奴らには。

小便を漏らしてでもこれで電流を流してやる。

死なない程度に感電させる。

絶対にそんな事はさせないのだ。

私達はお兄ちゃんと幸せになる星の元に生まれたのだから。


☆飯山昴サイド☆


俺は窓から抜け出してから。

そのまま玄関の靴を履いてからそのまま駈けて行く。

万が一あの2人にバレると面倒な気がするから。

まあバレても俺が怒るだけだけど。


「.....よお」


「.....うん。元気?」


「.....ああ。元気だ。お前は.....大丈夫か?」


「大丈夫だよ。.....あ、じゃあカフェに行こうか」


山中と会っているのだ俺は。

だがデートとかじゃない。

そんな事をする前に。

俺は右京と左京の事を相談しようと思っているのだ。

それで会う事にした。


「ねえ。.....やっぱり大変?」


「そうだな.....もう人じゃ無いよあれは」


「.....いやいや。そこまでは無いかもだけど.....でもそうなんだね」


「そうだな。本当に許せないと同時に。申し訳ない感じだ」


「.....今までの女の子に関して?」


「.....そうだな。被害届が出されてないだけ良かったよ。泣き寝入りで申し訳ないと思うけど」


「.....だね」


それから俺達はカフェに向かう。

そして小洒落た.....そのカフェのドアを開ける。

そうしてから店員さんを見る。

いらっしゃいませ、と笑顔の店員さん。


「.....あ。2名です」


「はい。.....ではこちらの席へどうぞ」


「.....有難う御座います」


そして俺達はそのまま椅子に腰掛けて荷物を置く。

するとニコッと山中が笑みを浮かべているのに気が付いた。

そういや山中も結構可愛いよな。

美少女だよ本当に。

心打たれる感じである。


「それじゃあ早速会議しようか」


「そうだな。師匠。頼む」


「.....じゃあ先ずは.....」


とそこまで言った時。

お兄ちゃん、と背後から声がした。

俺はゾッとしてから背後を見る。

そこに何故か笑顔の右京が立っていた.....。

だが目が笑ってない。


「何をしているの?何でその女と会うの?何がしたいの?」


「.....う、右京.....何故この場所が」


「.....そんなのどうでも良いよ。ねえ。何で?」


するとこの言葉に返事をしたのは俺じゃなかった。

立ち上がった山中だ。

それからしっかりと右京を見据える。

今日は彼に来てもらったのは貴方達の未来を考える為です、と。


「右京さん。左京さんの」


「.....は?何言ってんのこのアバズレが?私のお兄ちゃんを勝手に取っておいて?」


「お前ら。この場所で言い合うな!」


店員さんも利用客も困っているだろ。

俺は背中を押しながら2人をそのまま店の外に出してから。

そのまま見合う。

右京は今にも目の前の山中を殺したいぐらいの感情になっている様だ。

目が死んでいる。


「のこのこ戻って来るなんて勇ましいですね。.....山中先輩」


「.....私は貴方達の為に動きたいからね」


「.....その心配はないです。お兄ちゃんから離れてもらえれば何でも。.....もう二度と姿を見せないで下さい。ウザい」


「.....そういう言い方は良くないな。それに私は離れるつもりはないよ。君の言うお兄ちゃんとはね」


「.....」


右京は、はぁ、と溜息を吐く。

そして俺に向いた。

帰るよ。お兄ちゃん、と言いながら。

俺は真剣な顔をした。


「帰らない」


「.....何で?何がしたいのお兄ちゃん?私のお兄ちゃんだよね?何で?」


「.....お前が酷い事をするから帰らない」


「.....意味が分からない。何で?」


「.....今話したろ。お前と話したくない」


全く意味が分からない。

イライラするよお兄ちゃん、と言い掛けて。

あ、じゃあこの女を社会的抹殺すれば良いのかな?、という思考になった。

俺はそんな右京の頬をバァンと平手打ちする。


「.....おに.....いちゃん?」


「.....お前もう帰れ!!!!!」


「何で.....そんな.....」


「そんな思考だから!」


「.....」


ショックを多大に受けた様だ。

そのまま静かに帰って行った右京を見ながら俺はイライラを止める。

クソッタレが.....!

そう思っていると山中が、有難う。.....だけど右京さん.....良いの?、と聞いてきた。


もう話したくないし良いよ、と俺は言う。

そうだ。

本気でもう二度と話したくないぐらいだ。

ブチギレって感じだわ。

クソが。

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