第2話 原動力
☆飯山左京サイド☆
私は物心付いた時から右京と同じ様にお兄ちゃんが好きだった。
つまり簡単に言えば私はお兄ちゃんが大好きと言える。
お兄ちゃんの周り付く小蝿を振り払う為に右京と頑張っている。
でも最悪な事にお兄ちゃんには、それは正義じゃない、と否定された。
何故私達の気持ちが伝わらないのか分からないが。
私としては右京と同じく.....お兄ちゃんとハーレムを作りたい。
ただそれだけなのだが。
何故こうも上手くいかないのか謎ばかりである。
お姉ちゃんがこの前、自作で脅す為に感電装置を作ったが。
これを使う前に私達の前から敵は去っている。
だが.....今回はミスを犯した。
つまり脅す相手にまさかと思うが逃げられたのである。
私としては捕まえてでもやるべきだと思うけど。
愛しい私のお兄ちゃんの為に。
「右京。野放しで良いのこれ」
「.....しょうがないよ。左京。今は野放しにしておこう。お兄ちゃんに愛想を尽かされるのが困るし」
「そうだね.....」
右京の部屋にて。
まさかお兄ちゃんが教室に乱入して来るとは思わなかった。
その為に逃げられてしまい。
私達は大損の気分だった。
だけどまあ別の方向に駒を動かすのも一手か。
思いながら私達は見合う。
家の中にある鏡の様に。
「お兄ちゃんに好かれる為にはどうしたら良いんだろうね。また」
「それなりの作戦は講じないと。右京」
「作戦って何があるかな」
「.....私達が良い子になる作戦とか?」
「それはまあ使えないね。だってお兄ちゃんは私達を見抜いているし」
「.....ならどうしようか」
そんな感じで悩む私達。
そして考える。
それから、まあなる様にするしかないね、と右京が立ち上がった。
そうしてから、取り敢えず嫌われた仲を取り戻そう、と向いてくる。
「嫌われた仲.....そうだね。.....お兄ちゃんに嫌われたしね。とにかくどうにかしてこの仲を修復しないと」
「リセットボタンが無い事が幸いかな」
「そうだね。今までの関係は消えないから。データ消去みたいに」
「取り敢えず私はお兄ちゃんに接触する」
「.....そう。じゃあ私は取り敢えず見守っている」
「そう?じゃあ行って来る」
それから私は右京を見送る。
すると.....行った右京とお兄ちゃんが良い争う声がしてきた。
ふむ.....ダメだったか、と思う。
そして右京が帰って来る。
駄目だね。お兄ちゃん警戒しまくってる、と。
「じゃあ色仕掛けで勝負かな」
「.....まあお兄ちゃんの為ならこの裸もおっぱいも全部晒せるけど.....ちょっと早いかもね。とっておきの方法だから」
「そうだね。.....じゃあどうする?右京」
「.....取り敢えずは作戦を講じようとは思うけど。.....まあ暫くお兄ちゃんに迷惑を掛けずほとぼりが冷めるのを待つしかないね」
「うーん。そっか。じゃあ頑張ろう」
「そだね」
そして私達はそのまま作戦を講じる前に。
ほとぼりが冷めるのを待つ事にした。
しかしまあ.....いつになったら冷めるのか、だが。
思いながら私は部屋の隣を見る。
☆飯山昴サイド☆
頭がおかしいと思う。
うちの妹達が割とガチに。
何が起こっているのか分からないが。
思いながら俺はスマホでメッセージを飛ばす。
その人は俺の友人。
山中くるめ。
俺が救った友人だ。
(正直.....怖かった。.....でも私は.....それよりも大切な事を悟った)
(.....何をだ。悟れないだろこんなん)
(私はあの姉妹を変えるつもりでいる)
(変えるってのは.....人格を?)
(そうだよ。決めたんだ。だから私は絶対に君から離れないって)
赤くなる俺。
告白かな?、と思ってしまった。
しかしそんなメチャクチャな。
あの姉妹の人格とか変えれないだろ。
思いながら俺は、それは無理だと思う、と話す。
だが山中は、大丈夫だよ、と言ってくる。
現生徒会副会長だしね、とも。
(生徒の規律を重んじるのは私の役目)
(いやいや。規律ってか相手は化け物だぞ)
(そんな事言っちゃ駄目だよ。まあその。何かしら言いたくなるのは分かるけど。私は平気だから)
(平気とは言っても.....お前さん。現にマジに俺の姉妹に攻撃されているんだぞ。被害届とか出しても良いぐらいなのに.....何でそんな穏やかに?)
(.....私は被害届は出さないよ。私も似た様な感じの女の子が居るから。世の中ではサイコパスって言われているかもだけど。ちょっと診断出来ないから何とも言えないけど)
俺は衝撃を受ける。
そして山中のメッセージを見た。
マジかよ、と言いながら。
でも簡単に言えば心理病らしいけど、と書いてくる。
(お母さんが妹に刺されたんだ。以前。そして病院に連れて行ったら.....だよ)
(その子はどうなっているんだ。今)
(少年院に入ってる.....かな)
凶悪事件の殺人未遂容疑でね、と文章が濁る。
俺はその言葉に、大変だったんだな、と応える。
すると山中は、でもね。それがきっかけになった。私は将来、警察官を目指している、と明るく応える。
そして妹を二度と再犯させない、とも。
(それが原動力か)
(そうだね。.....でもこんな事を話したのは家族以外で君だけだよ。.....友人として)
(そうなのか。有難いが.....でも.....)
(.....君の義妹さん達は現にまだ犯罪を起こしてない。.....まだ変わるチャンスはあるよ)
私の妹はやり直すのがキツイけど、と言いながら。
スタンプを送ってくる山中。
俺は、だと良いが、と送りながら横を見てみる。
あのクソバカどもをそんな簡単に変えれるのか?
そうは思わないんだが.....。
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