拝啓、地獄の園へ

アキノリ@pokkey11.1

私達はお兄ちゃんが好き

歪みゆく世界

第1話 堕ちた正義

俺に声を掛けてくる女子達は皆、何か翌日になると声を掛けて来なくなる。

そんな事がこの3年間で俺、飯山昴(いいやますばる)は結構あった。

それが何故なのか分からなかったが理由が遂に判明した。

俺の姉妹が俺に女子が接触するのを妨害をしていた事に、である。


「.....お兄ちゃん。見ちゃったんだね」


「私達の行動を」


「.....」


鍵を開けたその空き教室にて俺は目の前の2人を見る。

この教室は空き教室だった為に教師はなかなか来ないのだが。

今日はその教室に俺が来たのだが。

俺は目の前のビクビクしている今日、俺に話し掛けていた女子と女子2人を見る。


「.....何をしているんだ?お前ら」


「何って見れば分かるよ。恫喝」


「.....見れば分かるってお前な.....」


「恫喝以外の何があるの?これは大切な儀式なの。.....だからお兄ちゃんは黙っていて」


「黙っていろ?無理があるだろ。お前達のやっている事は.....碌でも無いぞ」


恫喝が?これはただ黙らせているだけだよ、と右に居る少女が話す。

名前は飯山右京(いいやまうきょう)という。

一卵性双生児。


そして左に居る少女が飯山左京。

(いいやまさきょう)という。

右目と左目にそれぞれ髪の毛が掛かっているスタイル抜群の美少女2名。


黙っていれば相当に可愛い。

右京が茶髪。

左京が黒髪の髪の毛をしているのだが.....まあそれは今は置いて。

俺は2人を見つめる。


「お兄ちゃん。私はただお兄ちゃんに寄っている小蝿を払っているだけだよ」


「そうそう。私達はお兄ちゃんを危険な目に遭わせない為にやっているんだよ」


「.....右京。左京。その奥の人をお願いだからマジに離してやってくれ。その娘は俺の大切な友人だから」


「何言っているの?お兄ちゃん」


「私達が離すとでも?この女を。不躾にお兄ちゃんに近付いているしね」


「.....」


オレンジ色の夕日が差し込む空き教室。

まるで何が起こっているか全く理解し難いが。

右京も左京もイカれている。

どうなっているんだクソッタレめが。

思いながら見ていると右京が何かを持っているのに気が付いた。


「右京。.....それは何だ」


「.....これ?.....ああこれ感電器具」


「.....感電器具?感電器具って何だ.....オイ」


「.....私達はこれで脅していたんだけど.....」


「いやいや意味が分からない。.....右京。左京。何でこんな真似をするんだ.....!」


感電器具とか。

それは拷問器具の間違いだろ。

俺は思いながら駆け出してから奥の娘を救った。

友人の山中くるめ(やまなかくるめ)を。


そしてぐったりしている山中を見る。

酷すぎる。

まさかもう感電させた訳じゃあるまいな。


「犯罪だぞお前ら。いい加減にしろ。今までの女子も全部.....こうした訳じゃないよな?まさか」


「まあそうと言えばそうとも言えるかな」


「私達はあくまで正義の為にやっているんだから。私達の周りを汚す様な輩は許せない」


「.....どうしてこんな.....」


「お兄ちゃん。じゃあ聞くけど何で私達を愛してくれないの?」


左京が溜息を吐く。

何でってそんなメチャクチャな。

青ざめる俺。


そんな事、答えれる訳がない。

姉妹だからだぞ。

俺の、だ。


「右京。左京。普通、兄妹は恋愛しない。たとえ血が繋がってなくてもな」


「おかしいのはお兄ちゃんだよね」


「そう。私たちだけを見ていれば良いんだよ。私達兄妹なら純潔で済むから」


「極端だ。まやかしだそんなの。.....頭おかしいんじゃないかお前ら」


「私達は私たちで納得してやっているの」


「そう。そういう事だよ」


俺は山中を連れてからそのまま教室を後にする。

すると右京が、いやいや待って。お兄ちゃん。その女を何処に連れて行くの、と聞いてくる。

話が通じなすぎる。

俺は思いながら、右京。左京。お前らとは兄妹の縁を切る、と宣言した。


「.....え?何でそんな事言うの?お兄ちゃん」


「そうだね。何で?」


「.....こんな真似をするのは俺の姉妹じゃない!」


「うん?こんな真似って何?昔から私達はこんな感じだけど」


「邪魔者は排除してきたしね」


信じられない。

思いながら俺は唖然としながらも。

そのまま教室のドアを乱暴に閉めてからその場を後にした。

まさか右京も左京もこんな真似をしているとは、と思ってしまう。

眩暈がしてきた.....。


☆飯山右京サイド☆


何か知らないがお兄ちゃんは私達に兄妹の縁を切るって言われた。

何故なのか、とは思うけど。

でもそれを言われたからと言って私達は諦めるつもりはない。


何というかこのハーレム計画はずっと。

幼い頃からずっと練ってきた計画だ。

そんな計画を変な女に取られる訳にはいかない。

幼い頃からお兄ちゃんと結婚すると。


その目的で定めたのだ。

左京も納得してくれている。

だから邪魔される訳にはいかない。

どんな事があっても近付く女子は排除だ。


「.....左京。大丈夫?」


「うん。右京。大丈夫だよ。.....何で嫌われたのか分からないけどね」


「.....そうだねぇ」


結局お兄ちゃんは親友を救ってしまった。

私達が倒しそびれてしまう。

困ったもんだ、って思う。

今までも10人ぐらい虐めたけど。

逃したのは今回が初めてだ。


「.....右京。どうする?」


「.....それは勿論。お兄ちゃんに好かれる為に何でもするから」


「だよね?右京。それが一番だよね」


「.....そうだよ。嫌われようがお兄ちゃんを落としたら勝ちだしね」


やはり邪魔者は排除しなくては。

思いながら私は左京と一緒に作った電磁波。

つまり手とかに電流の流れる器具を見る。


ややこしい事だな。

でもこの拷問器具は使ってはない。

それはまあ良いんじゃないかなとは思う。

警察とか面倒臭いしね。

捕まるのはゴメンだ。

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