5.ネーミングセンス

ノートを満足気に見つめるレイシアを見てミハイルは真剣な顔をして言った。


「そうだ、一週間後また転送魔法で俺がお前の部屋に行くから秘密裏にいい案を練っといてくれ。俺も情報を集めに行ってくるから。」


「腐れ眼鏡、案外ちゃんとしているわね。」


「俺は『腐れ眼鏡』では無い。『ミハイル』だ。」


(『ミハイル』の意味は確か古代の学者『ミハイル・ウィンストン』から名前を取ったのね。でもね私は『七色に光』で貴方がどんな性格だったか知っているのよ。『七色の光』ではミハイルはヒロインの為に裏で悪役令嬢を社交界で痛めつけていたのよ。だから土下座しても読んであげないわ。)


レイシアは笑みを深めて言った。


「では『皇太子排除作戦』ってダサいからもう少しカッコいい名前にしない?」


「俺は知らんぞ、お前が言い出したんだろう?」


「分かったわよ、『ウィライン・オブ・ブライン』これでどう?」


「古代語で『裏切者たちの宴』だな。案外ネーミングセンスあるんだな。」


「『案外』ってなによ!?」

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