第322話 封印
「シーマさん、どうかしたの?」
「ん? い、いや、何でもないよ…」
「そうは見えないけど?」
「ごめん。ちょっと考え事しててさ…」
「ふぅーん。まぁいいわ。そういう事にしておいてあげる」
助かったな。
いや、動揺するだろ…。
ツッコミどころもあるしな。
・フィリア・オルティア•••人間
・年齢•••16歳
・職業•••王女
・スキル•••生活魔法Lv.1
PS 王族魔法が封印されています
まず、王族魔法のスキルが封印されていたこと。
そして、それが何故かPSで、しかも文章で表示されているということだ。
鑑定スキルが人格を持ったということなんだろうか…。
まぁ、これに関してはあれこれ考えるより
エルピスに聞いたほうが早そうだな。そのうち聞いてみよう。
まずは、目の前のフィリア王女だ。
生活魔法を使ってるとはいえ、レベル1だし、さほど魔力があるわけじゃなさそうだからな。とりあえずは魔力を底上げしてもらおうかな。
「フィリア王女、これからは毎日この魔石に魔力を全部注ぎ込んでくれるか?」
「えっ、全部? 使い切れってこと?」
「そうだね。毎日使い切ることで徐々にだけど魔力が上がるんだ」
「そうか…。みんながいつもやってたのはコレだったのね‼️」
「うん、そうだよ。知ってたのか…」
「てっきり魔法そのものを入れてるのかと思って、私には無理だから、あえて聞かなかったの。もっと前に知っておくべきだったわね。時間を無駄にしてしまったわ」
王族だからといって、努力することを惜しまない姿勢は評価出来るし、時間に限りがあることを意識しているのも良い傾向だ。
んん?
魔石に魔法そのものを入れるのか…。
そういう発想はなかったな。
でも。それを実現出来たら離れててもフィリア王女達を守れるかもしれないよな。これについてもエルピスに聞いてみることにしよう。
って、また思考が脱線してしまった。
「まだまだこれからだよ。そんなに焦ることはないよ」
「そうなんだけど、そうじゃないの‼️」
「えっ?」
「私もご褒美が欲しいからよ」
はいぃっ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます