第319話 ご褒美
突然のセレナの提案に、俺とシェリルは思わず驚きの声をあげた。
「あら、そろそろ食事かと思って来たのにどうかしたの?」
「私も今日は疲れてしまったので終わりにしました…」
そしてその時、お腹が空いたのか、フィリア王女とクラリスもキッチンにやってきた。
「あら、クラリスも来たからちょうどいいわね。これからのこともあるからフィリアも聞いてくれる?」
「何かあったの(んですか)?」
「今日ね、シェリルに商売スキルが発現したの‼️」
「あら‼️」
「よかったわね‼️」
「だから、今日はシェリルの日にしようかなって思ってるんだけどどうかな?」
「えっ、今日はセレナの日じゃ…」
「…」
「そうなんだけど、シェリルは自分で努力してスキルを発現させた。そして、それは私たち家族にとっても大事なことよ。
だから、そんなシェリルには何かご褒美があってもいいかな…って」
「「「…」」」
「もちろん、今回のシェリルだけじゃないわ。クラリスの努力が何かの形になったらご褒美を貰うべきだし、私の時もご褒美が欲しいもん」
「「「…」」」
「私たちへのご褒美っていったら、シーマとの夜でしょ? だから、夜の順番は私たちで決めてるけど、その時ばかりはその人の日にしようかなって…」
「「「…」」」
「そのほうが頑張れるし、張り合いも出るでしょ?」
「そうね。それでいいんじゃないかしら」
「「…」」
何故か、可能性のないフィリア王女が一番先に賛成している。私には関係ないって思っているのか、はたまた何か策を練っているか…。後者のような気しかしないが。
「シェリルとクラリスはどう?」
「ボクはみんなが良ければそれでいいよ。これからの励みにもなるしね‼️」
「私もそれでいいです。絶対にご褒美もらってやるです‼️」
「じゃ、これで決まりね!!」
どうやら、みんな納得したようだな。
確かに少しでも何か得するようなことがあればやる気が出るもんな。
セレナもよく考えたもんだ。
しかも、今回は自分の順番が飛ばされるのにも関わらず提案したんだもんな…。
ん?
ちょっと待てよ…。
「なあセレナ、ちなみに俺へのご褒美ってないの?」
「あのね、シーマ。あなたは毎晩ご褒美もらえるでしょ❤」
ですヨネ。
わかってた…。
わかってたよ…うん。
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