第318話 成果
シェスターとのひと時を終えた頃には既に陽がかなり傾いていたので、俺は宿に戻って夕食の準備をすることにした。
宿に入ると出かけていた人たちもほぼほぼ戻ってきていたのだが、シェリルの姿だけが見当たらない。
「あれ? シェリルはまだ帰ってきてないの?」
「そうなのよ。市場に行けば居るとは思うんだけど、そのうち戻ってくるでしょって思ってたらこの時間になっちゃったのよね…と思ってたら、どうやら戻ってきたみたいね」
おそらくサーチでシェリルの動きを確認していたんだろう。セレナのこういった優しいというか、パーティー全体を見てくれる動きっていうのはホントに助かる。
俺も知ってなきゃいけない部分ではあるけど、これは嫁同士でやることに意味があるからな。
「ごめんごめん、戻ってくるのが遅くなっちゃったー」
「何か問題でもあったのか?」
俺は遅くなった理由を知っておく必要があると思ったのでシェリルに聞いてみた。
「問題っていうほどのものじゃないんだけど…」
「けど?」
「いやぁー、エピリシアで買い付けたものが私が思ってたよりも好評でさ、アレないかコレないかって声に対応してたらこんな時間になっちゃった…」
「ほぅ…。上手く買い付けた結果なんだろうけど、それはそれで大変だ笑」
「アイテムボックスさまさまだよ苦笑」
「だな笑」
エピリシアからの物資がそれだけ好評だったのは、最近多くなった国境付近のゴタゴタが影響してるんだろうな。あんなに魔物を引き寄せられたら、ある程度の力がないと突破しようとは思わないだろうし…。
そう考えると、サザンベールとの繋がりは大事になってくる。ロナウドさんが戻ってきたら本格的に話しておいたほうがいいかもしれないな。
それにしてもシェリルは大したもんだな。職業は冒険者に変えちゃってるけど、もう一流の商人なんじゃないか……って、ん?
「おい、シェリル‼️」
「なぁに?」
「スキルに商売ってのが発現してるんだけど笑」
「えぇぇっ〜‼️」
「その商売スキルがあるとどうなるの?」
「計算が早くなるらしいけど…」
俺はセレナの問いに対して、鑑定に出ていることをそのまま伝えた。
現時点のシェリルのスキルはこのような感じだ。
・シェリル•••人間
・年齢•••15歳(婚約中)
・職業•••冒険者(Cランク)
・スキル•••暗殺術Lv.2、投擲術Lv.2、隠密Lv.2、性技Lv.2、商売Lv.1
・スキル共有中
「どうりで…」
シェリルの反応を見ると、どうやら心当たりがあるようだ。
「シェリル、それは自分でも分かるような変化なのか?」
「うん、まぁ。今日の途中くらいから、やけに早く計算出来るようになったなーっとは思ってた」
「へぇー。とても役立ちそうだし、よかったな、シェリル」
「うん‼️」
「それじゃ、今日は予定を変更してシェリルの日にしましょう‼️」
「「えっ?!」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます