第302話 この先
「エルピス様必死でしたね」
教会を出た後でクラリスが話しかけてきた。
確かに。
俺から見てもそう思えたくらいだからな…。
「そんなに焦らなくても良さそうなもんだけど」
「それだけシーマさんと一緒にいたいってことなんじゃないんですか?」
「それはどうかな…」
エルピスの場合、ただ単に美味しい料理が食べたいだけかもしれないし…笑
「いや、そうだと思います。だって私だってそう思ってますから❤」
「「「…」」」
前から思ってたけど、クラリスって顔に似合わず思ったことをガンガン口にするタイプだよな。あまりのストレートな言い方に他の3人が無言になってる。
クラリスはどちらかというとセレナ寄りの性格かと思ってたけどシェリルに近い。それだけ素直ってことなのかな…。 でも、それって大事なことだ。
「ありがとう。そう思ってくれてると思うと俺も嬉しいよ」
「うふふ。夜が楽しみです❤」
「「「!!」」」
あー。そういうことー。
ソッチをご所望ですかー。
ってことは、対抗意識の強いセレナとシェリルも次の日要求してくるよねー。
俺、毎日夜寝れないのかなー。
干からびるー。
「と、とりあえずは、ルート商会のロナルド会長と会って新たな宿屋のことをいろいろと詰めてからかな…」
「素敵な宿屋が出来るといいですね」
「その辺はロナルドさんに頑張ってもらわないとな。何かあったら奥さんのステラさんに頼み込めば何とかなるだろ。なぁシェリル?」
「そうだね笑」
「ロナルドさんもステラさんも元気かな?」
「変な噂とかもないから大丈夫でしょ。そんなことよりもボク的にはグランツにいるレオ兄とアイラがその後どうなったのか気になるけどね」
そういえばそんな話もあったな苦笑
シェリルにしてみれば、友達と家族がくっ付くのかどうかだもんな。気にならないほうがおかしいわな…。
「上手くいっていて欲しいけどなー」
「どうかしらね。どちらかと言うと2人とも大人しそうな感じだし。案外何も進んでないってことも…」
確かに途中から会話に入ってきたセレナの言うことも一理ある。レオンさんもアイラも積極的にガンガン行くほうじゃなさそうだしなー。
「何も進んでなかったら、レオ兄に説教してやる!!」
いやいやシェリル、そこまでせんでも…。
そうこうしてるうちに、ロナルドさんと会う予定の場所であるルート商会の宿屋に着いてしまった。
クリスさん達3人とはここで合流することになっているのだが、そちらはまだ到着してないようだ。
まぁ、3人ともそれぞれが強いから心配はしてないけど。そう考えるとあの3人に比べたら俺たちのほうがよっぽど弱いよな…。
うーん。
今はまだクリスさん達がいてくれるから、大抵のことは何とかなっているけど、ずっと一緒にいてくれるわけじゃないもんな。
かといって、セレナとシェリルはともかく、フィリア王女やクラリスを戦わせるのもな…。
どうするべきか…。
その辺もちょっと考えないといけないかもな…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます