【160万PV突破!!】異世界テイスト

第281話 食欲モンスター

南風に戻って早々、俺はキッチンに駆け込んで料理に取り掛かることにした。

魚はとりあえず切り身にしてムニエルかな。

鮭はガーリック魚醤で、スズキは塩のみで下味を付けて焼いてみるか…。

そうそう、皮目はパリッとするように焼かないとな!!

「シーマくんは魚料理初めてなんだよね？ 何でそんなに迷いなく出来るんだい？」

傍らで興味深そうに見てたロビンさんが声をかけてきた。

いくら何でも異世界の知識だなんて言えないからなー。テキトーに誤魔化しておくか…

「何となくですけど、小さいの頃から親の料理を見てきたので、その影響はあるのかもしれませんね」

お次はタコか…。

手っ取り早く生のままブツ切りにして、唐揚げにしようかな。どうせだったら下味に魚醤を使ってみるか…。鮭と同じくガーリック魚醤でいいな。

「オルトロスは焼くだけじゃないのか…」

「あまり火を入れ過ぎても固くなっちゃうようなので、ブラックバードと同じように料理してみようかと…」

「面白いやり方があるもんだ。俺も食べてみたいな」

「ある程度の量は作るつもりなので、ロビンさんも食べてみて下さいよ。ただ…」

「ただ？」

「俺の嫁たちを始めとする女性陣との争奪戦に勝てればの話ですけどね苦笑」

「そりゃ手強いな。その辺の魔物よりよっぽど怖いぞ苦笑」

「そうかもしれないですね笑 でも、大丈夫じゃないですかね。さすがにロビンさんの分までは食べないでしょ………たぶん」

「食べないわよ………たぶんだけど」

俺とロビンさんの会話に割り込んできたのはフィリア王女だった。

その後ろには嫁ズとクラリスがいる。

いつのまにか合流してたみたいだ。

「何だかいい匂いがするから来てみれば、私達を魔物呼ばわりするなんて酷いんじゃない？」

「みんなこんなに可愛いのに、本当にシーマくんは酷いな」

「「「「…」」」」

おいっ!!

口にした張本人が裏切ってんじゃないよ。

みんなも呆れて無言になってるじゃん。

しょうがない。ちょっと話を変えるか…。

「そんなにいい匂いがしてた？」

「うん。お腹が空くような匂いだよ。早く食べたいもん」

そっか。

シェリルが言うならそうなんだろうなー。

「もう少しで出来るからもうちょっと待っててな。買ったもの全部は出せないけど、いろいろと試してみたからさ」

「いっぱいあっても食べ切れないと悔しいから、むしろちょうどいいんじゃない？ 楽しみは少し後に取っておいてもいいものよ」

今度はフィリア王女か。

ちょっと達観してるような考え方だな。

何気に1番子供っぽいところがあると思っているだけに、たまにこういうギャップのある発言されるとドキッとする時があるんだよな。

性格的に、それを狙ってやってるとは思えないけど、それが逆にタチが悪かったりする。

「はいはい。もうすぐで出来上がるんだったら、私たちは黙って準備して待ってましょうね」

「「「はーい」」」

セレナがみんなを引っ張って食堂へ連れてってくれた。

本当にしっかりしてきたな笑