第269話 行列のできる...
「あのー、出来上がったら持っていくから向こうで待っててもらえないかな?」
「「「「はーい」」」」
朝に約束した化粧水だが、夕食が終わってから作り始めたのはいいけど、待ち切れない嫁ズ王聖女の4人。俺のそばを離れようとしないのは、さすがにちょっと邪魔なのでリビングで待っててもらうことにした。
その点、ノエルさんとイースさんは落ち着いた様子でお茶を飲んでいる。やっぱり2人のほうが大人なのかな笑
アイテムボックスから薬草とレモンを取り出して、早速始めることにした。
煮る時間はどうにもならないけど、冷ます時間は水魔法で冷ませば時短になる。早く仕上げないと俺の命が危なそうだからな笑
冷ました煮汁とレモンの搾り汁を、魔力を込めながら調合スキルを使ってゆっくりと混ぜ合わせていく。この前は試しに作っただけだから、同じものが出来るかどうかは分からないけど大丈夫かな?
ポンッ
おー!!
出来た出来たー!!
『高級化粧水(レモンの香り)』
うん。
鑑定を使っても問題ない。同じものだ。
よし、このまま続けて作る...
ん?
「「「「「「じーっ」」」」」」
おいおい。
何か視線を感じると思ったら、見事に女性陣全員がこっち見てるよ...。ノエルさんやイースさんまでも。
「ボクの鑑定で高級化粧水って出てるからあれは成功品だね」
おいおい、シェリル。
覗き見は良くないぞ。
仕方ないなー。
「君たち、とりあえず1個渡すからみんなで分けなさい。奪い合いとかしたら取り上げるからね。分かった?」
「「「「「「はーい」」」」」」
無駄に返事はいいんだけど大丈夫かな...。
俺は最初の1個をセレナに渡した。
「うん。これこれ!!」
「ほのかなレモンの香りもいいんだよねー!!」
嫁ズは1度試してるからな。感想としてもやっぱりそういうものになる。
問題は王聖女だ。
「あっ、シーマさんが私の中に入っていく!!」
「お肌さんがスゴく喜んでますぅ!!」
どんな感想だよ笑
フィリア王女は変な妄想を始めるし、クラリスは肌と会話しちゃってるよ笑
「うわー、スゴいよコレ。肌がしっとりする」
「本当ですね。もっと前に欲しかったです」
ふと横を見ると、ノエルさんとイースさんも感想を言い合っている。
わちゃわちゃしてる嫁ズ王聖女とは違って落ち着いていて大人っぽい。
セレナたちもやがて落ち着いてくれるんだろうか...。
「シーマくん、ノエルがいろいろと迷惑かけちゃってごめんね」
女性陣の間を縫ってクリスさんが声をかけてきた。
「いやいや、喜んでくれてるならそれでいいんですよ。感想も聞けたので、むしろ俺のほうが感謝です」
「そう言ってくれると助かるよ。僕もシーマくんの役に立てるように頑張るからさ」
「十分助かってますけど笑」
「それでもだよ笑」
ノエルさんが喜んでるのを見るとクリスさんも嬉しいんだろうな。
何かそういうのが伝わってくる。
実にいい関係だ。
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