第265話 駄女神



っていうわけなので、またスキルをいただけないでしょうか。出来ればクラフトスキルみたいのがいいかなーなんて思ってますけど。


「あのね、シーマくん。急に会いに来たと思ったらそれですか...。いったい私を誰だと思ってるんですか?」


誰って...。

聖女の体を乗っ取ろうとしてる駄女神さんじゃないんですか?


「...」


ダメならダメでしょうがないですよね。

シータにお願いしてアルテナさんを呼んで...


「ちょっと待って!! それはダメです」


「シーマー、私を呼んだー?」


「シータはすっこんでなさい!!」


「ちぇーっ、つまんないのー」


それじゃあ、そういうことで。


「わかりました。わかりましたよ...。何かあげればいいんでしょ? ブツブツ...」


シータ、やっぱり...


「はいはい。あげます。あげますから許して下さいm(_ _)m」


ちょっと涙目になってるエルピスを見ると少し罪悪感が出てくるけどしょうがない。

こっちはこっちでやらなければならないことがあるからな。いつまでも駄女神に構っていられない。


「その...駄女神っていうのをやめてもらえないでしょうか?」


だって、駄女神じゃん。

ダメ神よりマシだと思うけどなー。

それじゃあ、乗っ取り計画やめてくれる?


「それは...」


やっぱり駄女神じゃん。


「......ブチッ。それじゃ、スキルを与えたらクラリスの乗っ取りもOKなんですよね!!」


えっ?!

まさかの逆ギレ?!


「いいんですよね???」


良いも何も、俺が神様のやることを止めることは出来ないよね。抗議することは出来るけどさ...。


「はい。私がシーマくんにスキルを与える代わりに、週一で聖女を乗っ取る。これで決定です!!」


うーん...。

本当にこれでいいのかな...。

俺、クラリスに恨まれたりしないよな?

聖女だから大丈夫か?


まぁいいや。

何か言われたらエルピスのせいにしよう。

そもそも俺が決めたことじゃないしな。

ほぼほぼエルピスの意向だし。


「ほら、ブツブツ言ってないでさっさとスキル与えますよ。クラフトスキルでいいんでしたよね?」


あぁ、鍛治も出来て、何でも作れる系がいいな。

いろいろと作りたいものもあるし。


「わかりました。それならクラフトスキルで対応出来るでしょう。何か不都合なことがあれば言って下さい。条件付きで対応しますので。条件付きでね」


うわっ。

条件付きを2度言った。

これはきっとヤバいやつだな。


週一が週二になるかもしれん。


こればかりはクラリスのためにも何とか阻止せねば。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る