第236話 テレポ
翌日。
「あっ、空間魔法のレベルが上がった」
何度目かの戦闘の後に、俺の空間魔法のレベルが上がった。
やはり、サーチやバリアと空間魔法は使用頻度が高いから、他に比べてもレベルアップが早いんだな。
確か空間魔法のLv.3はテレポだったはずだ。
「空間魔法のLv.3はテレポだったよね。早速使ってみたら?」
さすがに魔法のことになるとノエルさんは詳しい。自分が使える魔法以外についてもたくさん知ってる。本当に魔法そのものが好きなんだろうな。
「わかりました。それでは、ちょっと先のあの木のところまで行ってみます」
俺はそう言って、初のテレポに早速チャレンジすることにした。
「テレポ」
俺がそうと唱えた次の瞬間には、100mくらい先にある目標である木の下にいた。
「「「おぉ〜!!」」」
何人かは驚いているようだが、離れてしまったため誰なのかは分からない。
そして俺は続けざまにテレポで距離を移動し続けて、その結果分かったことは『視認出来る500mくらいの距離』ならピンポイントで瞬間移動出来るということだった。
そして、俺以外にももう1人だけなら同時に移動出来た。
う~ん。
便利なんだよな?
イマイチ活用方法がわからん...。
逃げた奴を捕まえる時くらいか?
でも、サーチやバリアを含めてどんどん使っていかないことにはレベルが上がらんからな...。
「どうしたの、シーマくん? せっかく新しい魔法が使えるのに表情が冴えないのね 」
あー。
マズったか?
ノエルさんの前で、微妙な感じを顔に出してしまっていたか?
「...イマイチどんな時に使えばいいのかわからなくってですね...」
「そんなのどうだっていいじゃない」
「?!」
「全部が全部使い勝手のいい魔法なんてないでしょ? 」
「...」
「今は必要って思えないかもしれないけど、後で使えるようになって良かったって思える日が必ず来るわ。その日その時までに思い通りに扱えるようにするの。それが魔法使いというものよ」
ノエルさん、カッコイイな。
クリスさんがいなければ惚れてたかも。
「わかりました。俺もなるべく早く思い通りに扱えるようになってみせます」
「その調子よ。フフッ」
ノエルさんは満足そうに微笑みながら、俺に背を向けて歩き出した。
「あーぁ...、私も早く新しい魔法覚えたいな...」
ノエルさんがボソッと呟いた言葉が、俺の胸に突き刺さる。
ある程度のレベルまでいってしまうと、なかなかその先はレベルアップに時間がかかるので、新しい魔法を覚えるのはなかなか難しいんだ。きっとノエルさんはそんな状況なんだろう。
それでも、俺にアドバイスくれた。
俺は使い道に迷ってる場合じゃない。
無いなら探せばいいんだ。
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