第234話 監禁場所
「シーマくん、昨日の夜はずいぶんとお楽しみでしたね」
翌朝、エルピスが会うなり言ってきた。
確かにお楽しみでしたね。
男らしく否定はしない。
「そうですね。いろいろとエロエロと男らしいと思います」
何だそりゃ。
どんな言い回しだよ。
だってしょうがないじゃないか。
久しぶりだったんだもん。
っていうか、
今日の本題はアレだよ。
聖女の居場所がわかったんでしょ?
「えっ? 性女ですか?」
何か微妙にイントネーションが違うような気がするけど、聞くのも何なのでスルーしよう...。
で、どこに監禁されてるんですか?
「...スルーされちゃいましたか...ふぅ...」
ガッカリしてるところ悪いんだけど、早く話を進めようよ。
あまり時間がないんでしょ?
「...そうですね、そうでした。早くクラリスを助けないと!!」
ですよね。
で、どこにいるの?
「グレイスの教会の地下室です」
やっぱりグレイスか。
でも、居場所がわかっただけでも目的がはっきりしてやりやすくなるな。
ただ、問題はどうやって地下室に潜り込むかなんだよなー。
見張りとかもいるんだろうけど、今回は出来るだけ人を殺したくない。
『そんなの簡単だよ。斬らないようにあたしに意思を伝えればいいんだよー』
え? そうなの?
斬りたいものだけを斬れるってこと?
スゴイな、シータは。
『えへへー。神の声はダテじゃないんだよー!!』
そうだな。
今回はシータ頼りのところが多いかもしれない。
そのときはよろしくな。
『まっかせなさーい!!』
「シータばかり可愛がってないで、少しは私のことも構って下さいよ」
あっ、そうだった。
エルピスも聖女が地下室にいるってよくわかったね?
「グレイスの教会が慌ただしくなり、認識阻害などあの手この手で何かを隠してるようだったので、神の目を1点に集中させて見たら確認出来たんです」
それはそれでスゴいな。
さすがに神の目だ。
引き続き監視をお願いね。
状況的にしばらくそこから動くことは無さそうだけど、用心するに越したことはない。
「わかりました。クラリスのことをよろしくお願いしますね」
あ、そうだ。
聖女の杖はクラリスのところにあった?
「いいえ。そこにはないようです」
やっぱりな。
普通に考えて、クラリスと聖女の杖はセットだからな。一緒にしておく訳が無い。
きっとエデナさんのとこにあるんだろう。
『あたしとシーマはずっと一緒だよね...?』
ん? 唐突にシータが聞いてきた。
そっか。
シータは前の主と離れて、長い間ぼっちだったもんな。不安になるのも無理はない。
大丈夫だ。
ずっと一緒だよ。
『やったー!!』
「わ、私もずっと一緒ですよね?」
えっ?
エルピスは神の仕事があるじゃん。
無理じゃね?
「ガーーーン!!」
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