第232話 エルブライトへ?
教会を出た俺たちは冒険者ギルドに紹介された宿屋に来た。
問題なく部屋が取れたので、早速俺たち(ディオランサ)の部屋に集まって今後のことを話し合うことにした。
「フィリア王女、とりあえずエルブライトに向かうことでいいですか?」
俺はフィリア王女に問いかけるが、フィリア王女の表情は冴えない。
「アンナさんの感じではグレイスって可能性もあるんでしょ?」
「そうなんですよね...。仮にシータが聖女の杖を感知したとしても、エデナさんが持ってるのかもしれませんし...」
「ちょっといい?」
おっ、珍しいな。
ノエルさんが会話に入ってきた。
「聖女クラリス様にとって杖が必要なら、どちらにしてもエルブライトに行くしかないんじゃないかしら?」
「「確かに」」
「あとは教会で、何も知らない他国の冒険者としてさりげなく聖女のことを聞いてみるしかないわね」
「「そうですね」」
「でも一番重要なのは、聖女の杖がエデナさんに渡っていた場合どうやって取り返すのか...」
ノエルさんスゲーな。
そこまで考えてくれてたのか。
クリスさんもそうだが、やはりエリシオンの2人を連れてきて正解だった。
「それについてはちょっと考えてることがあるんで、これから俺がその準備のために動いてみます」
「わかったわ、お願いね」
「それでは早速明日からエルブライトに向かうということで決まりね」
フィリア王女が話し合いをそう締めくくった後、俺はセレナとシェリルと街へ出た。
「シーマ、これからどうするの?」
「ちょっと武器屋にね...。そうそう、セレナは聖女に憧れてる魔法使いってことにしておいてな」
「「?」」
俺はセレナの問いにそう答えたが、2人ともわけがわからなそうだった。
そして、最初の武器屋に入って行く。
「ココに聖女様が持ってるような杖はありますか?」
「おう!! 聖女の杖な。ほれ、これを見てみろ」
そう言って、店主は俺に杖を手渡した。
俺は聖女の杖を見たことがないから、わからないんだよなー。
「どうよ!! この辺じゃ、一番そっくりって言われてるんだぜ」
「へぇー。ん? この穴は何ですか?」
「問題はそこだ。魔石をはめ込むんだが聖女のように青いのがなかなか手に入らなくてな。そこだけ空けて売ってるのさ」
「なるほど。わかりました。ちょっと待ってて下さいね」
俺はそう言って店を出てから、エルピスの像を取り出して、エルピスに声をかける。
エルピス、今の杖って聖女の杖そっくり?
「そうですね。魔石を入れれば、ほぼほぼそっくりですね。いやはや感心しちゃいますよ」
わかった。
また後でね。
「はい。私からも聖女の居場所を突き止めましたので」
マジか。
さすがだ。
俺はすぐさま店にまた入って、店主に購入することを告げた。
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