第224話 神の声
「シーマ、大丈夫?」
「何なのアイツ! ボクが暗殺しようか?」
レイジが去った後、すぐに嫁ズが駆け寄ってきた。
セレナのヒールが気持ちいいー!!
「シーマくん、『狂剣のレイジ』を相手によく耐えたね」
「ほんとほんと」
「いやー、いっぱいいっぱいでしたよ。この剣じゃなかったら、死んでたかもしれません」
クリスさんとノエルさんからの目から見てそう思ってくれてるのなら、俺は善戦したほうなのかな…。
「まさか、こんなところであのSランクと遭遇するなんて…シーマさんたちもツイてないわねー」
えっ?
アイツSランクなの?
さすがはフィリア王女。お詳しいことで。
「フィリア王女はレイジに何か依頼したことはあったんですか?」
「特にないわね。聞いた話でしか知らないけど、危なっかしくてとてもじゃないけど依頼なんて頼めないわよ。何か余計なことして責任取らされても嫌だもん」
「それもそうですね」
「やっぱり、それなりの信頼関係がないとね…」
そりゃそうだよな。
王家の依頼だもんな。
何かあって王家の顔に泥を塗る訳にはいかないだろうし…。
「でも強さは本物なんですよね、クリスさん?」
「そうだね。曲がりなりにもこの国にほんの数人しかいないSランクだ。かなり強いよ。
でも、それを相手にして受け切ったシーマくんも大したものだと思う」
まぁ、俺というか、
シータのお陰なんだけどね。
「そういえば戦いの最中、レイジはシータを見て『神の声』じゃないのか?って言ってたんですが…」
「「「「神の声!!」」」」
ん?
シェリルとフィリア王女はともかく、
クリスさんとノエルさんまで反応したぞ?!
「シーマくんは本格的に冒険者になってそんなに経たないから知らないのかもしれないけど、『神の声』っていうのは伝説の武器なんだ。
神が使いのために地上に落とした武器って言われていて、それが故にその武器は使う人を選ぶらしいんだ」
「…」
何か心当たりがあるような…
無いような…
俺は確かにシータに呼ばれた…んだよな、アレは。
神か。
俺はエルピスしか知らんけど、そんなこと何も言ってなかったよなー。だから、エルピスとは関係ないような気がしないでもない。
「あのSランクと渡り合えたんだ。まだ憶測でしかないけど、この剣が『神の声』である可能性は高いのかもしれないね」
「俺としては『神の声』であろうが何であろうが、変わらずこれまで通り戦っていきますよ」
「そうだね。それでいいと思うよ。変に意識しないほうがいい」
こうして、この話はとりあえず終わったのだが、俺としてはシータがエルピスと繋がっているのかが気になっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます