第217話 教国に向けて
受付嬢に聞いた宿で無事に泊まることが出来た。
部屋が3つ必要なだけに少し心配したけど問題ないようだった。
そして、すぐさま俺たちの部屋にみんな集合して、今後の予定を話し合うことになった。
「どうやらエピリシアは混乱しているようね」
「そのようですね。とりあえずは急いでエルブライトへ向かいますか?」
「そうね…。でも聖女が交代してたら、クラリスはエルブライトにはいないかもしれないわね…」
「その交代で騒動が起きているということは、よほど強引なものだと想像できますからね。聖女クラリス様が無事だといいのですが…」
「みんなどう? エルブライトに向かうことでいいかしら?」
「「「「…コクコク」」」」
俺と話していたフィリア王女が問いかけると、みんなは無言で頷いた。
「シーマさん、食料はどうなの? 念の為買い込んでおいたほうがいいんじゃない?」
「そうですね。この人数で冒険に出たことがなかったので、ある程度は用意してたんですが、想定してたよりも減ってますね」
「「「「「「「…」」」」」」」
俺以外の人が、急に無言になって下を向いている。
どうやら、みんな食べ過ぎの自覚はなるようだ苦笑
「食事は大事。私も手伝うから食材はこの街でいっぱい買って行こう」
「それなら、ノエルさんたちのアイテムバッグを一時的に貸して下さい。俺のダミーだけだと怪しまれるので」
「そんなのお安い御用だよ。どんどん買っちゃおう」
ノエルさんがほぼ自分の食事のためだとは思うが、協力してくれることになったから、かなりの量を買っても大丈夫そうだな。
何せ7人分だもんな。
しかも育ち盛りが多いのかよく食べるし笑
今となってはイースさんが手伝ってくれるようになってよかったって思う。俺だけだと結構しんどかったかもな。悪いけどイースさんにはこれからも頑張ってもらおう笑
翌日。
市場でお店の人が引いてしまうほどガッツリ買い込んだ。
「いっぱい買っちゃったね、シーマ」
「食料はどれだけあっても困らないし、いいんじゃないかな」
「改めて思うけど、アイテムボックスがあるっていいよね。時間が止まったままだから腐ることもないし…。シーマくんと長く一緒にいたら、楽すぎて離れられないかもしれないね、クリス?」
俺とセレナの会話に、ノエルさんが入ってきた。
確かに普通に考えれば、ノエルさんの言う通りなんだろうな。
お金の心配さえなければ、こんなに楽な冒険は無いんだろう。
「そうだね。こうなったらクランの話も真剣に考える必要があるかもしれないね笑」
クランか…。
そういえば、食事会の時もフォルティスさん達はそのことについて何も言ってなかったなー。
ぶっちゃけ俺たちがどうこうというよりは、アイゼンの幻陽が格下の俺たちなんかと組んでくれるのかが肝なんだよな。
まぁそれも、聖女を救出してオルティアに戻ってからの話になるだろうな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます