第173話 メイン
ん?
何だ?
オルテガさんが驚いてるな。
しかも、アイゼンの中で1番最初に食べてるし苦笑
「『がいも』を潰して、前に作ってたあのソースを混ぜ合わせるとは...。このオーク肉の塩気もいい」
...。
オルテガさんが全部言っちゃったよ。
俺、言うことないじゃん。
「あっ、食べると美味しいー」
「そうだな。これは止まんねぇな。どこまでも食べれるな」
どうやらエテルナさんとフォルティスさんも問題ないようだな。
でも、どこまでもは食べないでね。
よし。
それじゃあ、メインだ。
「いよいよ、今日の主役の登場です。こちらはレッドボアの肉、そしてロックバードの肉になります」
俺はみんなの前に1皿ずつ塩ハンバーグを、ロックバードの塩にんにく唐揚げをテーブルの真ん中に大量に置いた。
自分で言うのも何だが、とにかく凄い肉の量だ。食べ切れるとは思わないが、インパクトもあって、これはこれでいいのかなとも思う。見た目って大事だからね。
「よくわかんねぇけど、スゲェ量だな。とりあえず真ん中の肉は食べたことあるからな。まずは目の前の肉だ。」
「そうね。それにしてもこれは本当にレッドボアの肉なの? 肉なんだろうけど肉っぽくないのよねー」
「…そうか。肉を細かくしてるのか!!」
さすがはオルテガさんだな。
見ただけでわかるんだから大したもんだ。
本当は既に仕上がっているデミグラスソースをかけたかったのだが、そこは少し出し惜しみしておいた。アイゼンの3人はハンバーグ自体が初めてだからな。そこは嫁ズたちと同じ段階を踏んでもらったほうがいい。
「おっ、結構イケるな。これ!!」
「ホントね。スゴく美味しいわー」
「肉にもこんな楽しみ方があったなんて...」
評価は上々のようだ。
そもそもフィリア王女のお墨付きだからね。心配はしてなかったけど。
「えっ? いつもと味が違う...」
そのフィリア王女が唐揚げに反応してるな。にんにくを足しただけなのにそんなにはっきりと味の違いが出るもんなのかなー?
っていうか、いつの間にハンバーグ食べ終えてたのさ笑
細い体なのによく食べるよな、この人笑
「今回は『いんにく』も足してるんですよ。アイゼンの幻陽の皆さんがこれからも元気に冒険が出来るようにと、少し味を変えてみました」
「うれしいこと言ってくれるじゃねえか、シーマ」
「どうしよう...。私Sランクになっちゃうよー」
「大丈夫だ。それはまだない」
「「「「「笑」」」」」
エテルナさんは冗談ぽく言ってるが、この前フィリア王女が話していたことによれば、実はもう結構Sランクに近付いているらしい。
俺からすれば遠い世界だ。
俺は俺のやり方でこの世界を楽しく生きていくんだ。
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