第169話 聞いてない
「すごーい。シーマたち謁見するんだー」
「フィリア王女を救出したんだ。ありえない話じゃない。よかったなシーマ。報酬いっぱいもらっておけよ笑」
えっ?
明日謁見なの?
エテルナさんもフォルティスさんもそんな呑気なこと言ってる場合じゃないよ。謁見っていったら正式な場だよ?
フィリア王女も何でもっと早く教えてくれないんだよ。毎日のようにヒーラに入り浸ってるくせに...。
「フィリア王女、謁見のことは初めて聞きましたけど?」
「そうね。私も今日聞いたばかりなのよ」
マジか。
これは詰んだな。
謁見だもん、断れるわけがない。
そもそも...
「フィリア王女、俺たち謁見出来るような服は持ってませんし、今さら用意も出来ないんですけど」
「あら、シーマさんたちは冒険者なんだからそのままの格好でいいわよ。何か言われたら私が対応するから安心して」
何だこの人。
たまーにだけど、無駄にかっこいいところがあるよな笑
フィリア王女の言い方から察するに、おそらく後ろ盾についても公表するんだろうな。
まぁ、しょうがないか。
どうせ行かなきゃならないんだし…。
「…わかりました。そういうことでしたら伺わせていただきます」
「それじゃ、明日よろしくね。ただ、予め言っておくけど報酬の内容については私も知らないからね。あと、迎えはアルテに行かせるから、明日の朝ヒーラで待ってて」
「...はい」
ふーん。
報酬の内容はフィリア王女も知らないのか...。
ただ、ソニア王妃が裏で糸を引いてないのかが気になるな。
考え過ぎなのかな?
「よかったじゃねえかシーマ。男ならドンと構えておけ!!」
フォルティスさん、あんたは何にも考えなさ過ぎだ。
「そうよー。せっかくなんだから楽しんでくればいいのよー」
エテルナさん、あんたみたいな度胸はないのよ、俺って苦笑
「シーマよ。フィリア王女に任せておけば大丈夫だ」
オルテガさーん。
あんたの言葉は貴重なんだよ。
しかも、大丈夫なんて言ってもらえたら、泣いちゃいそうだよ俺т_т
「皆さん、ありがとうございます。どんなことになるのかはわかりませんが、明日頑張ってきます」
「よし。言わなきゃいけないことも言ったし、それじゃ食事会を始めようかしら」
食いしん坊のフィリア王女が食事会を始めようと言い出した。
俺、今の話でもうお腹いっぱいなんだけど...。
「ちょっと待ってー。私達からも話しておきたいことがあるのー」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます