第168話 当日



いよいよ食事会当日。


ポテサラを作った後は、特に新しいものは挑戦せずに今までのメニューをひたすら作ってはアイテムボックスに入れ、作っては入れの繰り返しだった。


当然その間の食事も作っているものをそのまま出すのだが、見たことのあるメニューばかりの所為か、嫁ズは若干もの足りなそうにしてたが、初めて食べたイルマさんは上機嫌だった。そして、毎日のようにヒーラに入り浸っているフィリア王女も喋って食べて満足しているようだった。


そんなこともあって、かなりの量を作り込んだ俺だが、何故か疲れた時に限ってイルマさんが現れて、半ば強引ポーションを飲まされて何とかこの日を迎えることが出来た。


これでいいのかな?苦笑



その甲斐もあって、朝からあまり動かずにゆっくりと過ごすことが出来た。そして、夕方近くになったら嫁ズと共に馬車でアイゼンの幻陽のパーティーハウスへ向かった。実際はそんなに遠くはないのだが、シェスターが動きたそうにしてたのであえて馬車移動にしたのだ。リズミカルに歩くシェスターを見てると運動って大事だなって改めて感じるな...。



「ココだよな...」


「「たぶん...」」


大まかに教えてもらったところには、なかなかお洒落で、王都の割には大きめの家が建っていた。

さすがはAランク。

王都にもこんな家を持てるんだもんなー。

こんないい家があるなら、わざわざコスタの精龍亭なんぞに来なくてもいいんじゃね?

とりあえず馬車を停めて玄関に向かうことにする。



「こんばんはー」


「おう、シーマ達か。待ってたぞ!! さぁ入ってくれ」



フォルティスさんが出迎えてくれて、早速中へと案内してくれた。



「大きな家ですね」


「そうか? もう慣れちまったからな。お前達も冒険者としてずっとやっていくなら、これくらいの家は持てるようになるぞ」


「精龍亭がありますからねー。その線はないと思いますよ苦笑」


「俺としては冒険者一本でやっていってもらいたいが、お前らが決めることだからな」


「セレナやシェリルもいますからね。無理は出来ないし、無理もさせられないんで。ゆったり楽しく生きていきますよ」


「それもいいかもしれねえな...」



フォルティスさんとそんなことを話ながら歩リビングに着くと、エテルナさんとオルテガさんが待っていた。



「あら、シーマさんたちも到着したようね」


「シーマ殿、お久しぶりです」



フィリア王女が既に来ていた。

しかも、我が家のようにくつろいでるし...。

あれ? 珍しいな。

今日は執事のアルテさんもいるんだー。

アルテさんも食べにきたのかなー?



「アルテさん、お久しぶりです。今日はお守りを忘れてゆっくりと楽しんで下さいね笑」


「お守りとは失礼ね!! そう思うわよねぇ、アルテ?」


「...姫様、今日は大事な要件をお伝えするはずでは? 私はそれを見届けに来たのですよ? 」


「わかってるわよ。シーマさん、明日謁見だからよろしくね」






「...はい?」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る