第165話 メニュー決め
いよいよ、アイゼンの幻陽との食事会が3日後に決まり、その食材も前持っていただくことが出来た。
ワイバーンやポイズンスネークといった扱ったことの無い食材もあるのだが、あえて今回は無理に挑戦する必要はないと思っている。
今までのメニューの中にも、アイゼンの幻陽が食べたことのない料理もたくさんあるのだ。先程のスモークチキンはもちろん、ハンバーグだってある。十分過ぎるくらいだ。
しかも、今回は塩唐揚げもニンニクを加えて、グレードアップさせるつもりだし、今まで、作れるのに関わらず思い出せずにいた料理も作る予定だ。
無理に新しい食材に挑戦しなくても、今あるものを突き詰めて昇華していくことの必要性をイルマさんに学んだばかりだからな。焦らずに1日1日を大事に使っていくさ。
とりあえず、今日1日で燻製作業を終わらせることはもちろん、同時に煮込み作業をしていく。
デミグラスソースは野菜が溶け出していい感じに仕上がってきているが、この際だから継ぎ足し継ぎ足しで大量に作り置きしておく。
鶏ガラについても同様だ。幸いなことに、ポルタでのスタンピードのおかげでブラックバードの素材に困ることはない。鶏ガラスープは万能だからな。こちらもたくさん作っておきたいものだ。
「シーマ、今日の夕飯はどうするんだい?」
イルマさんが1人で外にやってきた。
またセレナをこき使ってそうだな...。
まぁ、セレナもやる気を見せてるからいいんだけど。
それにしても...
「あれ? もうそんな時間ですか?」
気が付くと日が暮れかかっていた。
マジか!
「そんなことも気が付かないなんて、あんたも大した集中力だね笑」
「あんた...も?」
「あぁ、セレナのことさ。あの子もポーションが作れるようになりたいって、ずっと頑張ってるよ。筋が良いからね。もうすぐ出来るようになるだろうよ」
そっかー。
セレナも頑張ってるのか。
シェリルは暇さえあれば商人として動き回ってるからな。
それにフィリア王女の言動にも思うところがあったのだろう。
「そうですか。イルマさんの世話になって本当に良かったですよ。こんな機会はそうそう無いですからね」
「それはこっちも同じだよ。偶然来た冒険者が、料理を作ってくれて、仕事を手伝ってくれて、フィリアとも仲良くしてくれたんだ。随分と助かったよ」
「いや、まだまだココに居ますけどね笑」
「何ならずっとここに住んでもいいよ?笑」
「俺たちには帰らなければならないところがありますから...」
「それじゃあ、王都の家はココにしな」
「お金取りませんよね?笑」
「当たり前だよ。ただし、ご飯は作ってもらうけどね!!笑」
「でしょうね笑 それでは早速今日の夕飯にしましょうか」
「何にするんだい?」
「この前のシチューですけどいいですか?」
「大丈夫だよ。アレは毎日食べても飽きない味だ」
俺はイルマさんと一緒にキッチンへ向かう。
こういうのも何だか家族みたいだな...。
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