第166話 組み合わせ



翌朝。

食事会まであと2日。


今日も朝から調理だ。

しかも今日は、ちょっと特別なものを作る。



ポテトサラダ。



何で今まで作らなかったのか、材料が揃ってるだけに不思議でならない。

デミグラスソースの作り込みをしながら進めていく。


大量のじゃがいもを茹でて潰していく。玉ねぎとニンジンをカットして塩もみしたら、これまたカットしたベーコンと自家製マヨネーズを、潰したじゃがいもと混ぜ合わせたら、塩コショウで味を整えて完成だ。


うん。

普通に良く出来てる。


これもこの段階で見つかると非常に面倒なので、誰にも見つからないうちに冷蔵魔道具の中へ入れておくことにした。




バタンッ



「!!」



ポテトサラダを作り終えて一段落した俺はキッチンで休んでいたのだが、突然セレナがやってきてはテーブルに突っ伏した。



「どうしたセレナ。大丈夫か?」


「うん...。ポーション作りで頑張って疲れちゃった」


「魔力も使うし、繊細な作業だからな。無理もないよ」


「そうなんだけどさ...」


「慣れてしまえば問題ないよ。もう少しの辛抱さ」


「そうだね。もうちょっと頑張ってみるよ」


「そうだ、ちょっと待ってな。疲れた時に美味しいスープを作ってあげるよ」



俺はそう言って、鶏ガラスープに小麦粉と溶き卵を混ぜたら、ほんの少しニンニクを入れて塩コショウで味を整えて即席の『卵スープ』を作ってセレナに手渡した。



「セレナ、これ飲んでみてよ」


「卵のスープなの?」


「あぁ、疲れた時に飲むと元気になれるよ。たぶん...苦笑」


「たぶんって...苦笑。せっかくだから早速いただくわね」



セレナはそう言って、スープを口に運んだ。



「あぁー、これは美味しいわ。すごく優しい味がする...」


「喜んでもらえて良かった」


「ありがとう、シーマ...」




バタンッ



「あー、買い付けで疲れちゃったー」


「「...」」



棒読みのセリフを吐きながら、シェリルがキッチンに入ってきた。

恐らく俺らのことを見てたんだろうな。

わざとらしいのがかえって微笑ましい。



「わかったわかった。シェリルにも作ってあげるよ苦笑」


「えへへー笑」



思えば、こんなやり取りも久しぶりだよな。

ヒーラに来てからもそれぞれ忙しくしてるから、たまにはゆったりとした時間があってもいいんだよな...



なかなか難しいけど。




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