第163話 スモークチキン



燻し終えたばかりのチキンをアイテムボックスに入れたら、続いて燻すチキンをセットしてキッチンへ向かう。


まだキッチンのテーブルには誰もいなかったのは意外だったが、あの食いしん坊の嫁ズ+2だ。準備してる間にもやってくるだろう笑


早速アイテムボックスからスモークチキンを取り出し、ある程度の大きさでカットしていく。面倒臭いから大皿でいいかなとも思ったが、誰がどのくらい食べたのかが分からなくなるので人数分の皿を用意して、均等に分けて盛り付けすることにした。そして、おそらくチキンの塩気が濃いと思ったので、サラダを付け合わせに用意しておく。


そうこうしてるうちに食いしん坊達がぞろぞろキッチンにやってきた。



「おや? それはブラックバードなのかい? また変わった色をしているねー」


「私も気になって聞いてみたんですが、塩漬けしてから煙で燻すらしいですよ」


「へー。また面白いこと考えるもんだね、この男は笑」


「ですよね笑」


「「笑」」


「お気に召さないようでしたら、全員のお皿を下げますけど?笑」


「すみませんでした。大変美味しそうな料理でございます笑」


「「「ございます笑」」」


「そんなのはいいから、早く食べて」


「「「「はーい」」」」



まったく…

この4人が揃うとタチが悪い。

嫁ズも楽しそうだから何も言わんが…。



「何とも香ばしいもんだねー」


「そうね。香りも塩気もちょうどいいわ」


「美味しい美味しい」


「うまーい」



イルマさんやフィリア王女に比べて、嫁ズの反応が単純過ぎて笑えるな苦笑

別に食レポをお願いしてるわけじゃないから、シンプルで全然構わないんだけど、それでも何だか嫁ズっぽくてかわいい。



「ちょっと飽きてきたら野菜と一緒に食べると、また違う感じになりますよ」



俺がそう言うと、みんな一斉に野菜と一緒に食べ出す。

それもまた、子供みたいに素直で、見てて面白い。



「確かにこれはなかなか…」


「女性には嬉しい食べ方ですね」


「これも美味しいわ」


「うまいうまい」



どうやら、初めてのスモークチキンは成功と言ってもいいくらいの評価だったようだな。食事会にも使えそうで安心した。午後からもスモークチキンとベーコン作りを進めていこう。



出来るならそのうち、専用のスモーカーを作っておきたいなー。

簡単なものならスキルなしでも問題なくスモーカーを作れそうだけど、材料があるかどうかだな。土からとかでもいいのかな? でも、それだとスモーカーというよりは窯だな笑


まぁ、今すぐじゃなくてもいいので、とりあえず頭の中には入れておかないとな…。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る