第151話 ヒーラの朝食



昨日の夜あれだけ頑張ったくせに、俺は早起きをしてしまった。


まだゆっくり寝ていたい気分だったけど、朝食は自分で作るしかないことを思い出してキッチンへと入る。

とはいっても、簡単にさっぱりしたものが食べたい感じだったので、野菜スティック+マヨネーズで済ませてしまうことにした。

正直なところ、スティックで食べるのも飽きてきたので、そろそろドレッシングを作ってみるのもいいのかもしれないな。



「おっ! このソースに付けて食べるのかい? 」



気が付いたら後ろにイルマさんがいた。



「イルマさんは自分で作るんじゃないんですか?」


「かたいこと言うんじゃないよ。そっちは1人分くらい余計に作ったって問題ないだろ?」


「…」


「おっ! 結構美味しいな。爽やかな感じが朝にピッタリだよ」



何でもう食べてんだよ...。

ガツガツ食べてるから、1人分くらいは無くなりそうだな...。


なんて思ってる間にセレナとシェリルもやってきた。



「「…」」



2人とも無言だ。

それもそうだろうな。

自分だけの食事だと思ったところにおばあさんが紛れ込んでる上、自分たちの食事を奪われてるんだからな...。



「セレナ、シェリルも食べてていいぞ。俺は...追加分を用意するからさ」


「…わかった」


「...ボクも先に食べるよ」



2人とも微妙な顔をしながらも、お腹が空いていたのかすぐに食べ始めた。

俺もすぐに合流して一緒に食べたのだが、うーん...。やっぱりそろそろ飽きてきてるな、この野菜スティックに。

そろそろ本気でドレッシングを考えてもいいかもしれないな…。どっちみち今日は食事会のこともあって王都の市場に行く予定だから、ちょうどいいと言えばちょうどいい。少しは王都でゆっくりできるだろうから、取り組めなかったメニューにも挑戦してもいいのかもしれない。



「あんた達は今日はどうするんだい?」


「俺たちは食事会のこともあるので、市場に行ってきてから、少し料理でもしようかなと思ってます」


「そうかい。試食する時は私も呼ぶんだよ?」


「えっ?」


「いろいろと意見を聞きたいだろうから、試食する者は少しでも多いほうがいいだろ。違うかい?」


「ええ、まぁそうなんですけど...」


「だったら問題ないね。私も朝からポーションさえ作ったら暇になるから、いつでも呼んでおくれ」


「はい。わかりました」



まぁ、確かに問題はないし、イルマさんの言ってることは正しいんだけど、何か引っかかるものがあるような...。


気のせいかな...。





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