第150話 幕間 嫁会議(会話のみ)
「シーマ寝ちゃったね…」
「疲れてるのに悪かったかな?」
「いいんじゃない? たまには夫の勤めも果たしてくれないと笑」
「それもそうだね笑」
「シェリルはさ…フィリアの事どう思う?」
「前々からシーマのことが好きなのかなって薄々感じてたけど、今日のフィリアは特に凄かった気がする。セレナは?」
「私も同じよ。王都に帰ってきてから急に迫ってくるようになったよね。他にもいろいろ考えてて、ちょっと敵わないなって思っちゃった」
「そうだよね。ボクたちにないものをフィリアは確実に持ってるよね」
「このまま私たちの仲間入りするのかな?」
「それはシーマ次第だよね…」
「ねぇシェリル、私ね…シェリルに謝らないといけないことがあるの」
「えっ、何かあったっけ?」
「私ね…シェリルがシーマのお嫁さんになるってなった時、シーマに『 私を一番にして』ってお願いしたの」
「…」
「正妻になることはもちろんだけど、相談事についても一番最初は私に、一番愛してくれるのも私にしてってお願いしたの」
「…」
「でもね、シェリルとずっと一緒にいたら、そんなことどうでも良くなってきちゃった」
「何で?」
「シーマは私たちを平等に愛してくれるし、シェリルも変わらずにとても仲良くしてくれるから、私が一番っていうのも違うなって思ったの。だから、もしフィリアが嫁入りすることになっても正妻はフィリアでいいって思ってる」
「そうだね。ボクは正妻には拘らないから、フィリアが正妻でもいいと思う…でも」
「でも?」
「結婚式を挙げる順番だけは、セレナが最初でボクが2番目がいい。これだけは譲りたくない。例えその相手がフィリア王女様だとしてもね」
「シェリル…」
「だって、セレナはともかく、ボクより後にシーマと出会った人が、ボクより先に結婚式を挙げるなんて考えられないよ」
「そうね。シェリルの言う通りだわ。私も結婚式の順番だけは譲らないようにする」
「そうそう。1番最初にシーマに出会ったセレナは、1番最初に結婚する権利があるんだよ」
「シェリル…ありがとう。一緒に幸せになろうね」
「ううん。それはちょっと違うよセレナ」
「何が?」
「ボクたちはもう一緒に幸せになってるんだよ。ついさっきだって…いろいろとね。違う?笑」
「違わなーい笑」
「でもセレナ、今ボクは大変なことに気付いてしまったよ!」
「どうしたの?」
「今ベッドの上はシーマの右がセレナ、左がボクだけど、もう1人入ってきたら…どうしよう?」
「あっ! 全然考えてなかった。私はこのままがいいな…」
「ボクもこのままがいい…」
「まだどうなるのか分からないから、この話はまた今度にしようか」
「そうだね。また今度にしよう」
「おやすみ、シェリル」
「おやすみ、セレナ」
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