第149話 濃厚な1日の終わり?
「俺たちはこれからもしばらくはヒーラに泊まるつもりですけど、フィリア王女様に連絡を取りたい時はどうすればいいんですか?」
今日はたまたまフィリア王女がヒーラにいたから連絡する手間が省けたが、これからはそうもいかないだろう。
今のうちに確認したほうがいいと感じたので聞いてみた。
「うーん…そうですよね。私が正式に後ろ盾として公表されるまでは直接のやり取りではなく、イルマさん経由で連絡をしてくれたほうがいいですね。イルマさんなら王城でさえ顔パスですし」
「イルマさんを利用してしまうことになってしまいますが、イルマさんはそれでも大丈夫ですか?」
「あぁ、問題ないよ」
よかった。
これで何かあっても連絡を取れることになったな。
何もないことに越したことはないけど、どんな事にも備えは必要だ。
その後、
帰る時間になったのか、アルテさんが来てフィリア王女を連れて帰って行った。ギャーギャー喚きながら連行されたその様は、とてもじゃないけど王女様には見えなかったが苦笑
そして、イルマさんによって部屋に案内された俺たちは、イルマさんに「疲れたので今日はもう寝る」と伝えて、体にクリーンをかけてからベッドに倒れ込んだ。
「今日はいろいろあったわね…」
「ボクもこれまでで一番濃かった1日かもしれない…」
「まさか国王に会うことになるとは思ってもなかったしな…」
「私は王都でさえ初めてだったのよ…」
「ボクだって、アイゼンの幻陽に会うのは初めてだったし…」
「そっか。2人とも苦労かけてごめんな…」
「でもね、楽しいこともいっぱいあった」
「そうだね。いろんな人に出会えて楽しかった」
「そう言ってくれると俺も嬉しいよ…」
俺がそう言ったところで、セレナとシェリルが俺のほうに体を向けてきた。
「シーマは気付いてる?」
「気付いてないんじゃない?」
「何のこと?」
「あーぁ…」
「ほらね…」
「?」
俺が何も分からずに戸惑っていると2人は立ち上がり、セレナは部屋のドアに鍵をかけて、シェリルは遮音の魔道具のスイッチを入れた。
「3人になれたのは久しぶりでしょ❤」
「だから、このまま寝ちゃうのも…ね❤」
あまりの忙しさに忘れてたわ。
可愛い嫁ズを愛でてなかったわ。
俺は2人に近づいておもむろに抱き寄せる。
「2人とも気付かなくてごめんな」
「ううん…別にいいの…」
「その代わり…」
「「いっぱい愛してね❤️」」
長い1日はまだ終わらなかった。
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