第147話 悪女?



「イルマさんなら全部話して大丈夫よ」



やっぱり即答だな。

それに、返事も予想通りだ。



「全部ですか?」


「勘違いしないでね。シーマさんが話せると思う範囲での全部のことよ。だって、私にさえ話してないことだってまだあるんでしょ?」


「確かにその通りですね」


「あぁー!! やっぱりあるんだー!!泣」



くっそー!!

フィリア王女の誘導に引っかかっちまった!!

本当に上手いなこの人。

感心するわ笑



「ほら、フィリア。話の最後までちゃんとしなさい」


「だってー!! こんなに仲良くなったのにまだ話してくれないことがあるんですよー!!」


「男に秘密の1つや2つはあるもんさ。それがその人の魅力になるんだよ」


「それって男じゃなくて、女のことでしょ?」


「そうだった!笑」


「「「「爆笑」」」」



これは、見誤ったな。

イルマさんが話のペースを握ってるけど、その流れをコントロールしているのはフィリア王女だ。


さっきみたいなウッカリには気をつけないとなー。

エルピスが言ってた、フィリア王女が「そのうち全部知ることになる」というのは、もしかして俺が全部喋らされてしまうことを予言してたのかもな…。後でエルピスに聞いてみよう。





「イルマさんにはおいおい話すとして、アイゼンの幻陽について対してはどうしますか?」


「あの人達かー。人は良いんだけど、口が軽そうなんですよねー。特にエテルナさんが笑」


「それ、何となく分かります」


「でしょ?笑」


「「「笑」」」



フィリア王女はよく見てるなー。俺も同意見だし、嫁ズにもウケているところを見ると彼女たちもそう思っているのだろう。



「だから、アイゼンの幻陽には最小限に留めておきましょう」


「今度、アイゼンの幻陽のパーティーハウスで食事会をすることになったんですが、彼らのマジックバッグには大量の魔物が入っていて、それを調理しなければならないんです。

さすがにダミーのマジックバッグでは無理があるので、アイテムボックスのことをバラそうと思うのですが構いませんか?」


「えっ?! 食事会って何よそれ。私、何も聞いてないわよ!!」


「つい先程決まりましたので、フィリア王女様への連絡はこれからになるかと」


「シーマさんが料理するんでしょ? 何があっても行くからね!! もし何も連絡がなかった場合はどうしようかしらね…ふふふっ」



あー、これはヤバいやつだ。

めっちゃ悪そうな顔してるし笑

俺もフィリア王女は敵に回さないようにしよ。




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