第146話 何気にすごい人
「フィリア王女様とイルマさんはとても親しそうですが、どんな関係なんですか?」
どうしても気になったので、俺は2人の関係性について聞いてみた。
「イルマさんは私の先生なのよ」
「先生…ですか?」
「そう。イルマさんは何年か前まで王家御用達の薬師だったのよ。その時に花や薬草についてたくさん教えていただいたのよ」
「そうだったんですか…。イルマさんって実はスゴい人だったんですね」
「何だいシーマ、私はただの薬草好きのおばあさんに見えたかい?」
「いや、そんなことはないですけど。ただ…」
「ただ、何だい!」
「少し変わった人なのかなとは思ってました笑」
「あんたもレディに向かって失礼なこと言うねー。食事抜きだね!」
「元から食事は付いてないですけど笑」
「そうだった!笑」
「「「爆笑」」」
何だか和やかな雰囲気になってきたなー。楽しく笑える空気がいいよなー。しばらくこんな事なかったよな…。
フィリア王女と仲良くなった事もそうだし、イルマさんの人柄もあるんだろうな。
「やっぱりココに私も泊まりたーい!! 絶対楽しそうだもん!! 今日は無理でも近いうちに必ず泊まってやる!!」
「おやおや、あのフィリアが男の宿に外泊宣言とは。随分悪い子になっちゃったねー笑」
「そうよ。悪い?」
「遂に開き直ったのかい!笑」
「「「笑笑」」」
完全にイルマさんのペースに持っていかれてるな。本当はフィリア王女といろいろ話したいことがあるんだけどな…。
別の日に改めたほうがいいかな。
「そういやシーマ、あんたフィリアに話があるんじゃなかったのかい?」
「えっ…結婚の申し込みなら、もう少し待っていただかないと私も心の準備というものが…モジモジ」
「安心して下さいフィリア王女様。全然違う話ですから」
「チッ!! この雰囲気なら勢いでイケると思ったのにー!!」
「あんたもバカだねー笑」
「「「笑笑」」」
おいおい、王女様がそんな悪い顔して舌打ちしちゃダメだろ笑
王妃様相手に一歩も引かなかった策士は本当に油断ならねーな。
言質取られたらアウトだな、これは。
「あのー、そろそろ本題に入りたいんですが?」
「ほら、フィリアもちゃんと聞きな!」
「はい。もう大丈夫です」
イルマさんの言葉でピシッと空気が締まった。
この一連の流れで分かったことがある。
それはフィリア王女がイルマさんに対しては全幅の信頼を置いているということだ。
そうでなければ俺らが王女を助けた話はしないだろうし、王城では見せなかった素の部分がココに出るはずがない。
それらを加味して俺も話をすることにした。
「フィリア王女様、イルマさんにはどこまで話していいのですか?」
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